世界で増え続けるワカメ【世界の侵略的外来種ワースト100】

■ごあいさつ
皆さま、いかがお過ごしでしょうか。スタッフぐでぐでです。
今回は私たちの日常で多く見かける「あの」植物について
紹介していきます。ただし、日常で食す文化を持たない側
からの視点となります。

 

■日常で食す文化を持つ側の視点では
日本を含む東アジアの海域で生息しているワカメですが
ほぼ日本や朝鮮半島でしか食べる文化がありません。
※近年は中国でも食べられている模様

食べるものと認識している国や地域では良いですが、大多数
の世界では食べる文化がないことを念頭に置いて、続きを
ご覧いただけると幸いです。

 

■世界の侵略的外来種?ワカメが海外で大暴れ
そもそも東アジアに生息しているワカメがなぜ世界へ進出
しているのか。これは意外と簡単な理由です。

世界を行き来する船舶、特に大型船のバラスト水の中に
紛れてワカメの種子が世界各国へ運ばれていくという
単純な仕組みです。

バラスト水は大型船のバランスを取るため、船内に設けた
タンクに海水を入れて重しとします。

これはワカメだけでなく他の生物も長距離移動できること
になりますが、今回の主題はワカメなのでこれ1本で話を
続けることにいたします。

・・・そして各地で発芽してワカメが増えていくことに
なります。

 

■東アジアの海域では昔から繁殖しているのでは
確かに東アジアの海域ではワカメは生息していますが
次の理由から生態系へ悪影響は及ぼしていません。

【天敵がいる】
ウニ等、ワカメを食べる生物が一定数存在する。ワカメ
を好んで食べる文化を持つ国が近くに存在する。しかも
それなりの量を消費してくれる国がある。

【繁殖するにはやや厳しい環境】
胞子が波にさらわれてしまうので岩場に定着できるのは
一部だけ。

天敵がなく繁殖するに理想的で快適な環境が存在したら・・・

 

■ワカメは真の理想郷(ユートピア)を見つけた
そしてワカメはついに望む世界を見つけたのだった・・・
そう、天敵がなく繁殖するに理想的で快適な環境を。

そして世界は絶望するのである、この驚異の繁殖力をもつ
植物に。単なる害藻、即ち「海の雑草」と呼ばれます。

波が荒くなく穏やかで、自身を食べる天敵が皆無かつ、成長
するのに適した水温。このような素晴らしい海域に辿り着けば
どうなることでしょう。
なお、ワカメの繁殖能力はかなり高いので条件揃えば、爆発的に
伸びるしかないでしょう。

【ワカメがもたらす害】
大量のワカメが発生することで、養殖中の籠にまとわりついて
他生物の成長を妨げたり、酸欠に追いやって生物の生命活動を
大量に停止させるなど、具体的な害が発生しています。

他には海沿いに設置している機械にまとわりついて故障させる
などの影響を与えています。そんなわけで不名誉にも、世界の
侵略的外来種ワースト100にランクインするレベルの迷惑を
まき散らしているわけです。

【世界の侵略的外来種ワースト100】
侵略的外来種100選でブラックバス(オオクチバス)、ヒアリ
などが有名どころで挙げられます。生物、植物問わず繁殖能力が
高いのが特徴です。意外な生物、植物もランクインしているので
興味あればチェックしてください。

リンク先:世界の侵略的外来種ワースト100

【世界進出を果たしたワカメ】
主にアメリカ、フランス、イタリア、オーストラリア、ニュー
ジーランド、黒海、地中海などほとんどの地域で見かけるように
なりました。

海の中にあるので駆除は容易ではないし、現地で食べる文化も
ないので一挙に消し去る方法はなく、手の打ちようがないのが
実情です。いっそ日本や韓国へ輸送できればと考えますが、輸
送コストについて工夫して収益がでるようになれば減らすこと
も可能でしょう。

バラスト水を管理する国際条約が2017年に発効されて、現在
は微細な生物を取込み拡散しないように、海水にフィルターを通
して紫外線照射で殺菌処理を施すよう対策済みです。

しかしながら、既に広まったものについてはどうやって解決する
か知恵を絞っていかねばなりません。

 

 

 

 

 

 

 

 

■おせちだけじゃない。カニを筆頭にいい品あります

「世界で増え続けるワカメ【世界の侵略的外来種ワースト100】」
についていかがだったでしょうか。

日本では恩恵をもたらすワカメが別の国や地域では必ずしも恩恵を
もたらすとは限らないようです。バラスト水経由で日本からよそで
繁殖する生物、植物があるように逆のケースとして、よそから日本
に入って来た生物、植物が日本の生態系を乱すという事象もあります。

外来種から生態系を守る取り組みとしては
入れない 外来種をむやみに日本に入れない。
すてない 飼っている外来種は野外に捨てない。
広げない 野外にすでにいる外来生物は他の地域に広げない。

この3点を心掛けていただけると現在の生態系を守ることに繋がります。

匠本舗ではカニを筆頭に様々な海産物を取扱いしております。
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最後まで本記事にお付き合いいただき、ありがとうございました。