■ごあいさつ
皆さま、いかがお過ごしでしょうか。『ただ』のぐでぐでです。
前回に続けて、京都のお店を紹介いたします。今回紹介する「錦水亭」
は学問の神様として知られている菅原道真公を祀る長岡天満宮に隣接
する料亭です。明治14年に創業し、八条ヶ池に面して四季の庭園の美観
を誇ります。今回は最も旬である、たけのこづくしの会席料理をいただき
ましたので、その内容について触れていきたいと思います。
春を選んだのは期間限定(3月下旬~5月下旬)で提供される、たけのこ
づくしの会席料理を目当てとしたのもありますが、キリシマツツジの開花
状況も考慮したためです。
春半ばということで、地域によって見頃となる花は異なります。サクラで
あったりツツジ、フジ、ミモザなど数々の花をこれから見かけることが
多くなるでしょう。暖かくなって外出が苦にならない季節なので、散策して
春の風景を楽しんでください。
のんびりしているとあっという間に夏がやって来ます。
■錦水亭について
錦水亭の名称は紅葉の美しさが錦に似ていることから、旧宮家の山階宮から
命名されたとの逸話があります。
季節の樹々に覆われた自然の庭園と八条ヶ池を取り入れた数寄屋づくりの
屋敷が景観の質をより高めてくれます。季節に合った厳選された旬の素材を
用いた京料理が堪能できます。
なかでも錦水亭の代名詞「たけのこ料理」は京都西山近郊の最高級たけのこを
用います。日々収穫される「朝堀りたけのこ」はたけのこの土が乾かない内に
大釜で湯がき、清水にさらしてあく抜きします。家伝の調理法により、素材の
持ち味を最大限活かして、日本随一のたけのこ料理は提供されています。
■錦水亭へのアクセスについて
阪急電鉄京都本線の長岡天神駅が最寄りとなります。徒歩約10分で到着できます。
長岡天満宮を目指せば必然的に錦水亭へもアクセスできるので、まずは天神通り
(京都府道210号)を目指します。長岡天神駅東口からアクセスしているなら踏切
を超えて直進します。また、長岡天神駅西口からアクセスするなら踏切を背にして
直進すれば、長岡天満宮へ到着します。
大鳥居をから二の鳥居へ進み、そこから左折すれば錦水亭へ入ります。かなり広く
よい景観なので、散策をおススメします。
道中の景観に関する写真はこちら
錦水亭の中の写真はこちら
想像以上に広いです。帰りの際にも庭園を紹介します。
■たけのこづくし
本日のメインとなります。最後に提供される水物以外は全て「たけのこ」が関わる
一品となります。
例のごとく同席者が居ます。というかこの同席者がいなければ予約がおぼつかない
くらいだったので、力添えに感謝しつつ食の見識を借りることとなります。
【先附】
・木の芽和え
全てのメニューで共通しますが、全般的にたけのこが柔らかく、薄味ベースなれど
味付けがしっかりしています。
同席者からも従来のたけのこのイメージが一気に変わると意見をいただきました。
特に木の芽和えは瑞々しく、これから提供される料理への期待を膨らませてくれる
貴重な一品です。後、器が竹を彷彿とさせるセンスも素晴らしいです。
【造り】
・のこ造り
山葵と醤油でいただきますが、滑らかな舌触りに特有の甘さを実感できます。
たけのこをお造りのように食べるのは初めてで、今まで発想すらできなかったので
今回のコース料理の中でよい意味で期待を裏切られた一品です。
同席者は素のたけのこにほんのり甘さがあって、それが醤油との組み合わせで
よい形で昇華していると見解を述べました。京たけのこならではです。
【吸物】
・若竹すまし汁
身体が冷えないよう程よいタイミングで提供されます。お吸い物と異なり汁が
主役の料理です。後で気づきましたが、日本酒と合うのでこのときに飲めば
もっと美味しく味わえたとやや後悔しました。
同席者は出汁には拘りあるので、時間をかけてゆっくり味わって、後で私同様
に日本酒があればよかったと見解を述べました。
【煮物】
・じきたけ
創業時から受け継がれてきた看板メニューです。大きくて分厚く輪切りされた形
で提供されます。秘伝の出汁でじっくり炊き、追いカツオで仕上げます。見た目
の印象と違って柔らかく食べやすいので、たけのこのイメージが変わります。
出汁も美味しいので、余さずしっかりいただきましょう。
この出汁も日本酒と割って飲めばと気づくも遅かった。同席者も同様ですが、加
えて香辛料の香りと味付けの工夫を凝らして、嗅覚に働きかけることを感心して
山椒の使い方が素晴らしく、上品な香りを醸し出していると述べました。
【御凌ぎ】
・筍寿司
寿司も筍(たけのこ)づくしです。湯葉と雲丹に加え、からすみがまぶしています。
他にはこごみとガリがあります。なお、このガリはたけのこで出来ています。
よくもこれだけ、たけのこづくしで構成できたと感心です。
同席者はガリがたけのこで作られていることに食べるまで気が付かず、食べてから
驚いた様子なので、インパクトは十分にあります。
【焼物】
・焼き竹
小ぶりで輪切りしたものを特製タレで香ばしく焼き上げ仕上げに竹皮に包んで蒸し
した一品です。刻んだ木の芽の緑が鮮やかです。食感が柔らかくとても食べやすい
です。両面に切り目を入れて2度付け焼きしているようです。
さらに提供前に竹の皮に包んで焼くことで、竹の皮の焼けた香りと醤油の焦げた香り
を同時に楽しんでもらうとの演出が為されています。
同席者からもこの演出は素晴らしいと話がありました。
【蒸し物】
・むしたけ(筍友禅豆腐)
たけのこの角切りを豆腐と魚のすり身を裏ごししたものでまとめています。
他には桜えび、きくらげ、三つ葉、錦糸卵、帆立が入っています。
私はたけのこが帆立と合うこと、同席者はたけのこがえびと合うことにお互い気づいて
大変勉強になりました。たけのこはシュウ酸をいかに抜いて、負担なく食べられるかに
気を配ることが多く、わかめや昆布などの海藻類と組み合わることが多かったです。
今後は海鮮類との組み合わせもいろいろ試してみたいものです。
【進肴】
・田楽もなか焼(筍車海老の田楽もなか焼)
車海老はしっかり中まで火を入れているので、まるごといただくことができます。
もなかの中を開いた写真も載せますね。
たけのこ田楽にアレンジを加えた上品な一品です。食感と風味がよく、人気が
あるのも頷けます。
ぐでぐではすぐにいただき、同席者は他の料理に時間をかけていた関係で、少し
冷えた状態でいただきました。温かく美味しいのは勿論ですが、冷めても美味しく
いただけます。
【油物】
・てんぷら(筍三色かき餅揚げ)
抹茶、白、赤の3つのたけのこは、ほうれんそう、米、えびを砕きあられ状に
まぶしています。ししとうとしいたけは塩を振って味付けがされていますが、なによりも
全体的に見た目の色が明るく、目で楽しめる色使いなのが特徴です。
【酢の物】
・酢の物(筍水晶ジュレ酢掛)
たけのこ、こんにゃく寒天、ゼンマイ、丁子茄子とありますが、丁子茄子は普段
お目にかかれない貴重な品です。少し酸味が聞いていますが、冷たく食べやすい
サッパリとした味付けです。ここでもたけのこが存在感を出しています。
他に比べると控えめかも。
【御飯】
・のこめし
きゅうりの浅漬け、たけのこの佃煮とセットで提供されます。味付けされている御飯を
いただき、味変としてきゅうりの浅漬け、たけのこの佃煮でも食べてみてください。
同席者は実に美味しそうにいただいていましたので、それにつられて私も多めに
食べてしまいました。写真にはありませんが熱いお茶をいただいたので、食事の
合間に飲んで喉に潤いを与えておりました。
【水物】
・水物(メロンといちご)
甘味は論評せずただ美味しくいただくのみ。この一品だけはたけのこと無縁でした。
たけのこを模した甘味でもでてくれば個人的には面白いなぁと勝手に思いました。
帰る前に庭園を散策
実に風情ある景色です。日が落ちる前にも立ち寄っておけばと少し悔やみます。
■たけのこの無限にわたる可能性
さて、【錦水亭】たけのこ料理が決め手!明治14年創業の老舗【長岡京】
についていかがでしょうか。当初は長岡天満宮の話も入れようとしましたが
文字数が大幅に増えそうなので、錦水亭に係るものに絞りました。
たけのこ料理にここまで特化している店はあまり多くないので、至福のたけのこ
料理を堪能したいなから錦水亭へ足を運んでみてください。
また、遠方で足を運べないという方は3本セット(竹の香・竹づくし・竹じまん)
の佃煮を味わってみてください。たけのこの佃煮オンラインショップ
ご飯やお茶漬けと一緒に食べるのが基本ですが、お酒やビールのつまみとして
いただくのもありです。ぐでぐではおつまみとしていただきました。
■おせちだけじゃない。カニを筆頭にいい品あります
匠本舗ではカニを筆頭に様々な海産物を取扱いしております。
ネットショップ大賞を10年以上連続で1位との実績がありますので
強くおススメいたします。どうぞ素敵な食卓を楽しんでください。