■ごあいさつ
皆さま、いかがお過ごしでしょうか。『ただ』のぐでぐでです。
日本各地で暑い日が続きます。正直に言うとなるべく外出せずに涼しい
場所で過ごしたいです。と言っても全く外出せずに生活することはでき
ないので、長時間暑い場所に留まらないようにするか、留まるようにな
っても日傘などで暑さをマシにするもの、水分補給をしっかりする心構
えを持って日々を過ごしてください。通気性の良い衣服で熱が籠らない
工夫もお忘れなく。
今回は『食事内容以外の付加価値』にスポットを当ててみたいと思いま
す。もちろん貴船で提供される会席料理についても紹介いたします。
それでは、よろしくお願いいたします。
■食事内容以外の付加価値
食事については食材、調理技術、盛り付けの要素が基本でそれ以外では
コストパフォーマンスが重要な位置を占めます。
では、食事内容以外ではどのような付加価値が考えられるでしょう。
A:空間と雰囲気
店内の雰囲気、庭園、個室空間という快適性の部分になります。
B:接客
おもてなし(行き届いた気配り)で顧客のニーズを満たします。
C:ブランド
長い歴史を持つお店はその歴史に価値があります。また食文化の生い立
ちから京都の料亭は特に重要視されます。
D:立地(ロケーション)、特別な体験
景観の良い場所や都心から離れた場所など、その場所でなければ味わえ
ない体験となります。
さらにこれらをソフト、ヒューマンというカテゴリで分類できます。
A、C、Dはソフト(部屋・設備・景観・季節感・文化など)
Bはヒューマン(言葉や表情など)となります。
ソフトという言葉があるならハードもあります。これは食材・調理技法
になります。盛り付けはハード、ソフトのどちらにも組み込めそうなの
で判断が分かれます。
■貴船(きぶね)
貴船は京都府京都市左京区の地名で、『京の奥座敷』と知られ観光客に
人気がある場所です。貴船山と鞍馬山に挟まれた細長い渓谷に料理旅館
が立ち並びます。夏季は貴船川沿いの川床(貴船の川床)が有名で避暑
地として多くの方が納涼を求めてきます。
運が良ければ蛍を見ることができますよ。
秋季には紅葉の名所としても有名だったりします。冬季は雪化粧が施さ
れている時期がおススメです。春季は桜を見ることができます。
四季の彩りによって景観が変化する貴船神社(きふねじんじゃ)は是非
とも訪ねてほしいです。近くには鞍馬寺があるので、時間をかけて貴船
と鞍馬の2地域を纏めて観光するのも良いかもしれません。
地名としては貴船(きぶね)と読みますが、貴船神社(きふねじんじゃ)
は「ぶ」ではなく「ふ」で読みます。
これは祭神が水の神様である高龗神(たかおかみのかみ)であるため水
が濁らないようにとの意味を込めているからです。
貴船神社は水神の総本宮である以外に「絵馬」発祥の地と言われ、縁結
びの神としての信仰もある一方で丑の刻参りでも有名です。
(情報量の多い神社だなぁ)
ただし、貴船神社は24時間開門していないので実際には丑の刻(午前1時
~午前3時頃)で儀式を行うことはできませんが。
『宇治の橋姫』の時代(嵯峨天皇の御世809年-823年)は可能だったよう
ですね。
本来は貴船明神が降臨した「丑の年の丑の月の丑の日の丑の刻」に参詣
すると、心願成就するという伝承があったのですが、現代には歪な形で
伝えられています。
心の中で深く願ったことが、神仏の力添えによって叶うことを意味する
のが心願成就なので、前向きな願い以外も受け付けるのでしょう。
本当に『心の中で深く願う』なら。
神社内の写真です。
日が落ちると急に人がいなくなります。
■納涼川床料理(貴船 喜らく)
今回は献立表が用意されなかったので、都度記録をつけながら食事を
いただくことになりました。2名以上が条件であったため、同席者が
います。記録係だったり、席の関係で注文受付や提供速度の調整など
活躍してくれました。
料理の前に店外・店内の写真を紹介します。
ここから先は料理の紹介です。
【前菜】季節の珍味
【先付】其の日の逸品
同時に提供されたのでセットで触れていきます。
梅をシロップ漬けしたもので食前酒の役割を果たしてくれます。
まぁ、お酒は梅酒を注文したので役割が重複しましたが。
佃煮は甘辛で食べやすく次の【八寸】へ繋いでくれます。
【前菜】【先付】については同席者からのコメントは無し。
硝子や白と涼しさを感じさせる器のセンスが秀逸です。
【八寸】
・山海の美味、其の日の五品(日替わり)
同席者からは湯葉、シラスが好評で、ぐでぐでは万願寺唐辛子
が印象に残りました。【八寸】には旬の食材が使われ料理の顔と
して味覚・嗅覚以外に視覚に訴えてくるものがあります。
茶器全体の色合いと形が調和されており、芸術品としてのレベル
で仕上がっています。
【向付】
・鯛、鱧落し、其の日の沖魚、他あしらい、山葵醤油、梅肉
鱧以外は醤油で、鱧は梅肉でいただきます。ふわっとした食感が
特徴です。京都の事情で夏は鱧が流行りますが、本来の旬は晩秋
になります。それでも、夏は産卵を控えて栄養を取るから美味し
いのは事実です。
骨切りが大変困難な作業として知られていますが、食の追求の
ためなら手間は惜しまないのがこの国(日本)の凄いところ。
【吸物】
・すっぽん土鍋蒸し(松茸土鍋蒸し)
時期によってすっぽんか松茸のどちらかになるみたいです。
今回提供されたのはすっぽんです。お店側の料理解説が遅れたため
同席者と「硬すぎずコリコリ感あって美味しい」けど正体不明
な食べ物をお互いにクイズ感覚で議論していました。
・・・どちらも外れましたが。
夏バテにそなえて滋養強壮と言えば「すっぽん」なので可能性は
あったけど、勝手に魚介類と思い込んでいました。
【冷鉢】
・そうめん、海老、温泉玉子、どんこ椎茸、口出汁
めんつゆに漬けず、めんつゆをめんのある器に入れるようです。
海老、温泉玉子、椎茸が出汁と絡みあってより良い味付けに変
わります。同席者は変化する味付けを大いに楽しんでいました。
また、器の清涼感にも良い印象を抱いたようです。
【焼物】
・鮎塩石焼2匹、花山椒鞍馬煮、蓼酢
貴船川は賀茂川の源流の1つです。上流部が標高約200mくらい
の山間部にあるため、水質は良好です。
清流な場所で獲れる鮎は臭みはなく塩焼きしていただけます。
鮎は夏以外に秋頃(子持ち鮎)も美味しいので機会あればその
時期にも食べてみたいものです。
食べる前にぐでぐでが中座したので、同席者には先に食べて
もらって特有の臭みがないことなど感想を伺いました。
【油物】
・天子妙出し、川海老、小茄子、他あしらい、出汁
天ぷらにした鱧は一緒に用意された出汁に漬けてサクサクした
食感を楽しみます。天ぷらは出汁で、天ぷら以外は塩でいただ
きましょう。同席者の食べ方もこの一品に対してはぐでぐでと
同じ食べ方になりました。
【替わ向】
・鱧焼き霜刺身一味おろしポン酢
余分な脂や臭みを取り、香ばしさと皮と身の間にある旨味を
引き出します。先に食べた鱧落し(湯引き)とは違ったさっ
ぱりとした味付けで柔らかい食感となります。
同席者からの受け売りですが、調理方法によって適切な味付
けが変わってくるとの話です。
梅肉、ポン酢、出汁、塩と言われてみるとそうです。
【肴】
・鴨ロース(鰻、酢の物)
鴨ロース単品でも美味しいですし、野菜と組み合わせるのど
ちらの方法でいただいても美味しい一品です。野菜の瑞瑞し
さと鴨ロースの相性が思った以上に良好です。
【御飯】
・うなぎ丼(小)だし巻き玉子乗せ
赤だし、香の物、季節の果物
締めのメニューです。最後にうなぎ丼と豪華なものがやって
来ました。同席者はうなぎをみてテンションが上がっており
ます。御飯を赤だし、香の物、うなぎ(+出し巻き玉子乗せ)
と組み合わせていただきました。
ラストの甘味です。スイカは今年初だったので川床の風情も
あって大変気に入りました。
【飲物】
今回は前半は梅酒、後半は日本酒と切り替えました。
川床は涼しいものの、時には寒いと感じることもあるため
適宜用意されたお茶が身体を温めるのに大いに貢献してくれ
ました。
貴船の川床は川と床の距離が短く涼しさをダイレクトに感じ
ることができます。冷房要らずで涼しいと感じ、日が沈むに
つけて羽織物がいるくらいでした。
■絶好のロケーション
【貴船の川床】京の奥座敷で心安らぐ緑溢れる涼やかな景色について
いかがでしょうか。
『食事内容以外の付加価値』としては立地(ロケーション)が断トツ
です。川床料理という特別感は他では味わえない体験でしょう。
今回お世話になった『貴船 喜らく』はおもてなし、料理など他にも
付加価値はありますが、選定した一番の理由は貴船神社(本宮)の目
の前という点も考慮に入れました。(夜の貴船神社を散策したい)
貴船には他にもお店があるので、訪れる時間帯や季節を変えてまた
立ち寄ってみたいと思います。
貴船の周辺の写真を紹介します。
緑か川が中心になりますが、心安らぐ素敵な場所です。
■運が良ければみることができる蛍の光
帰りに見かけたので10分くらいですが、ぼんやり眺めました。
スマホのカメラではいい感じで撮影できませんでした。
肉眼で幻想的な景色を見れたので十分です。これも
『食事内容以外の付加価値』となりますね。
興味がない場合は価値を感じないかもしれませんが。
ここまでお付き合いいただきありがとうございました。
それでは、次の記事で会いましょう。よろしくお願いいたします。
■おせちだけじゃない。カニを筆頭にいい品あります
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