AIが「嘘」をつく？ハルシネーションを理解し防ぐプロンプトのコツ匠本舗情報局【たくじょー！】

皆さんこんにちは！
匠本舗スタッフのひぐちです。

「AIは嘘をつくらしい」「間違った情報が出てくることがある」—そんな噂を耳にして、仕事で生成AIを使うことにためらいを感じていませんか？

たしかに、AIは時として事実ではない情報を、さも正しそうに話すことがあります。この現象は「ハルシネーション」と呼ばれ、AI活用における大きな課題の一つです。しかし、この問題を正しく理解し、適切な対策をすれば、AIはあなたの強力な味方になります。

この記事では、AIのハルシネーションの正体から、それを防ぐためのプロンプトの書き方まで、具体的に解説します。この記事を読み終える頃には、AIの嘘を恐れることなく、自信を持ってAIを使いこなせるようになっているはずです。

この記事はこんな人にオススメ！

AIのハルシネーション（Hallucination）とは、AIが事実に基づかない、もっともらしい情報を生成する現象のことです。これはAIが意図的に「嘘」をついているわけではなく、学習したデータや、その推論プロセスにおいて誤りが生じることで発生します。

なぜこのような現象が起こるのでしょうか？主な原因は以下の通りです。

学習データの偏りや不足: 学習データが特定の情報に偏っていたり、量が少なかったりすると、AIはその情報に基づいて推論するため、誤った結論を導き出すことがあります。
学習データの古さ: 大規模言語モデルの多くは、過去のある時点までの情報しか学習していません。そのため、それ以降の最新情報については知らないことがほとんどです。
文脈の誤解: 曖昧な質問や指示に対して、AIが文脈を誤解してしまい、的外れな回答をしてしまうことがあります。

このハルシネーションは、実在しない人物や出来事を捏造したり、誤った統計データや出典を提示したりと、さまざまな形で現れます。そのため、AIの出力を鵜呑みにすることは非常に危険なのです。

では、どうすればAIにハルシネーションを起こさせず、信頼できる回答を引き出せるのでしょうか？鍵となるのは、「プロンプト」、つまりAIへの指示の仕方です。

効果的なプロンプトには、いくつかの基本原則があります。

明確な指示: 「〜について教えて」のような曖昧な指示ではなく、「〜について、メリットとデメリットを3つずつ、小学生にもわかるように説明して」のように、具体的かつ明確に指示をします。
役割の指定: 「あなたはマーケティングの専門家です」のように、AIに特定の役割を与えることで、回答の質が格段に向上します。
前提条件の提示: 「〜という前提で回答してください」と条件を付けることで、AIの回答範囲を限定し、誤った推論を防ぎます。

これらの原則に基づき、ハルシネーションを防ぐための実践的なプロンプトの書き方をいくつかご紹介します。

AIに正確な情報を出力させたいときは、事実確認を促すプロンプトが有効です。

良い例：

「日本のGDP成長率について教えてください。ただし、出典を必ず明記し、最新の統計データに基づいた情報を提示してください。」

悪い例：

「日本のGDP成長率について教えて。」

AIに余計な情報を出力させず、核心を突いた回答を得たい場合は、回答の範囲を限定します。

良い例：

「ChatGPTとBardの比較について、機能、料金、得意なことの3つの観点に絞って説明してください。それ以外の情報は不要です。」

悪い例：

「ChatGPTとBardを比較して。」

特定の情報に基づいて回答させたい場合は、参照元をプロンプトに含めることが最も効果的です。

良い例：

「以下の文章を要約してください。

（ここに要約したい文章を貼り付け）」

「以下のウェブサイト（URLを記載）の内容を元に、〜について教えてください。」

これらのプロンプトを組み合わせることで、AIのハルシネーションを大きく減らすことができます。

AIは、あくまでも人間の仕事をサポートするための「ツール」であり、万能ではありません。ハルシネーションを完全にゼロにすることは難しいのが現状です。

だからこそ、私たちは以下の心得を持つことが大切です。

AIのハルシネーションは、生成AIの特性上、避けられない現象です。しかし、それは決してAIが使えない理由にはなりません。

質の高いプロンプトを工夫することで、AIはより正確で、あなたの求める回答を導き出すことができます。AIを恐れるのではなく、その特性を理解し、上手に付き合うこと。これこそが、AIを最大限に活用し、仕事の生産性を飛躍的に向上させるための鍵なのです。

今日から、この記事で学んだプロンプトテクニックをぜひ試してみてください。