【IR資料分析】カーブスの本業は「ジム」じゃない?売上6割を占める「プロテインD2C」戦略を徹底解説。

みなさん、こんにちは!

最近、chocoZAP(ちょこざップ)みたいな便利なジムも増えて、気軽に運動できるようになりましたよね!私もほぼ毎日通っています。近いと便利ですよね!

そんな中、「他のジムってどうなってるんだろう?」
なんて、ふと気になって調べてみたんです。

そこで、めちゃくちゃ気になったのが「カーブス」。

「カーブス」って聞くと、
「あの、女性専用の30分フィットネスでしょ?」
「うちの母が通ってるわ!」
そんなイメージが強いですよね。

でも、「なんであのビジネスであんなに儲かってるの?」って、不思議に思ったことありませんか?

実は、カーブスのビジネスモデルをガチで分析してみたら…
とんでもない「カラクリ」が隠されていました。

「ジムだと思ってたら、全然違った…!」

この記事を読めば、カーブスが日本で無双している「本当の理由」がスッキリ丸わかりになりますよ!
今回は、カーブスHD(運営会社)が公表しているIR資料(いわば会社の成績表ですね!)を元に、その秘密をガッツリ読み解いていきます!

衝撃!カーブスの「本当の姿」はジムじゃなかった?

いきなり結論から言いますね。
カーブスって、実は「ジム運営」で儲けてるんじゃなくて、「物販」で儲けてる会社なんです!

「ええ~!?ウソでしょ?」って声が聞こえてきそうですが、これ、本当なんです。

驚愕の事実!売上の6割が「プロテイン」だった

カーブスHDの決算資料(2025年8月期)を見て、たまげました…。
会社の売上(連結売上)375.66億円のうち、なんと「物販(プロテインとか)」の売上が 230.80億円!

割合にするとなんと…61.4%!!

そう、売上の6割以上が「モノを売って」稼いでるんです。
ジムの会費に関連する主な収益(ロイヤルティ等収入)は 34.8%…。

もう、どっちが本業か分かりませんよね(笑)
これこそが、「カーブスは単なるジムじゃない」という最大の証拠です。

「チェーン売上」と「連結売上」の魔法のカラクリ

「あれ?でも、お店ではそんなに物販が売れてるイメージないけど…」
そう思うのも無理はありません。

このスゴさを理解するカギが、「チェーン売上」と「連結売上」の違いにあります。
ちょっと難しい言葉が出てきましたが、超カンタンに説明しますね!

  • チェーン売上:全国のカーブスのお店(FC店)のレジで「チャリーン♪」と鳴った売上の合計。お客さんが払ったお金の「総額」です。
  • 連結売上:カーブス本部(HD)に入ってくる「本当の取り分」

お店(チェーン)の売上合計(856.0億円)を見ると、物販の割合は 26.8%(229.5億円)なんです。
でも、本部(連結)の売上(375.66億円)だと、物販が 61.4%(230.80億円)に跳ね上がる…ナゼ!?

答えは「フランチャイズ(FC)モデル」のうまい使い方にあります。

ジムの「会費」は、ほとんどFCオーナーさん(お店の経営者)の売上になります。本部の取り分(ロイヤルティ)は、会費総額に比べるとごく一部…。

でも!「物販(プロテイン)」は違うんです。
これは本部が開発した「自社商品」。

これをFCという「売場」を借りて、お客さんに「直販(D2C = Direct-to-Consumer)」してるようなもの!
だから、物販の売上は(会費とは比べ物にならないくらい)ガッツリ本部に入ってくる…!

分かりました?
全国2000店近いジムは、実は「プロテインを売るための最強のショールーム(顧客接点)」だった、というワケです!

【表1:カーブス 収益構造の二面性(2025年8月期 通期実績)】

項目 チェーン売上高(お店の総額)
(構成比)
カーブスHD連結売上高(本部の取り分)
(構成比)
会費・ロイヤルティ等 約 626.5億円(73.2%) 130.84億円(34.8%)
会員向け物販 229.5億円(26.8%) 230.80億円(61.4%)
その他 14.02億円(3.7%)
合計 856.0億円 375.66億円

(注:カーブスHD IR資料等を元に作成。数値は分かりやすくするため一部丸めています。)

なぜ「コーチ」は最強のセールスマンなのか

「でも、プロテインなんてAmazonでもっと安く買えるじゃん?」
「なんでわざわざカーブスで買うの?」

そう思いますよね。
その秘密こそ、カーブスモデルの「真髄」であり、他社が絶対にマネできない強さの源泉です。

競合がいない市場(ブルーオーシャン)を選んだ

普通、プロテインを買う「筋トレ層」は、AmazonやiHerb(アイハーブ)で成分と価格をめちゃくちゃ比較検討します。ここはもう、価格競争の「レッドオーシャン(血の海)」です。

でも、カーブスがターゲットにしたのは、
「健康意識は高いけど、タンパク質の専門知識はゼロ」
という中高年女性層。

この市場において、SAVAS(ザバス)やMyprotein(マイプロテイン)は競合ですらありません。
カーブスは、この「知識ゼロ」の層に対して、独占的に「教育」「販売」を行えるポジションをガッチリ掴んだんです!

「コーチ」という最強の信頼接点

この「教育」と「販売」を担うのが、全国にいる約8,000名の「カーブスコーチ」です。

カーブスの本当のスゴさは、このコーチと会員さんの間に築かれる、めちゃくちゃ強固な「信頼関係」にあります。

コーチは単なる「モノを売る店員」じゃありません。
日々、会員さんの健康の悩みに親身になって耳を傾け、運動をサポートする「健康の先生」であり「専門家」なんです。

この絶対的な信頼関係を土台にして、コーチは「教育」をします。

「筋肉ムキムキのため」のプロテインじゃありません。
「人生100年時代、ロコモ(寝たきり)を防ぐために、年齢と共に失われるタンパク質を補うことが、本当に大事なんですよ」
と、「健康課題の提示」「(自社商品という)解決策の提示」をセットで行うんです。

信頼する「先生」から、自分の健康のために「これがオススメですよ」と言われたら…?
もう、Amazonで価格を比較するなんて発想、起きませんよね。

「先生のおすすめだから買う」

この信頼ベースの対面販売こそが、価格競争を完全に無効化する、最強の販売チャネルなんです!

高くても売れる!「筋肉」より「腸活」を売る戦略

カーブスの戦略、エグい(=超スゴイ)のは、商品そのものにもありました。
なぜ、カーブスのプロテインは、ターゲットの心にブッ刺さるんでしょうか?

答えは、「何を売っているか」にありました。

製品の提供価値:「生きて腸まで届く乳酸菌」

カーブスの主力プロテインの商品名を見てみましょう。
「スーパープロテインpremium+生きて腸まで届く乳酸菌
(※公式情報に基づく)

はい、出ました!「腸活」です!

カーブスの戦略が天才的なのは、「プロテイン(タンパク質)」という主機能に、ターゲットの中高年女性が今いちばん関心のある「乳酸菌(腸活)」という第二の付加価値を、完璧にドッキングさせた点です。

「筋トレ層」が気にするのは「BCAA含有量」とか「WPIかWPCか」ですよね(マニアック!)。

でも、カーブスのターゲット層の悩みは違います。
「筋肉」よりも「日々の健康」「お通じ」「免疫力」…。

そこに「タンパク質(ロコモ予防)」と「乳酸菌(腸活・免疫)」という「一石二鳥」の完璧なソリューションを提示されたら…?
もう、買うしかありません!

この「ターゲットの悩みに完璧に寄り添う」商品開発こそが、高単価(転売サイトでは7,000円~9,000円台も!)でも飛ぶように売れる秘密なんです。

絶対に辞められない?「二重サブスク」の最強コンボ

カーブスのスゴさは、これだけじゃありません。
「一度入ったら、なかなか辞められない」仕組みも、実に巧妙なんです。

カーブスは、実は「二重のサブスクリプション」モデルになっています。

  1. サブスク①:ジムの会費(運動習慣・コミュニティ)
  2. サブスク②:物販の定期購入(健康食品・食習慣)

この二つが、お互いをガッチリとロックイン(=辞めづらく)させているんです!

ロックイン①:ジムが物販を辞めさせない

まず、ジムに通い続けると、コーチやジム仲間との「社会的つながり(コミュニティ)」が生まれます。
「あのコーチに会うのが楽しみ」「あそこに行けば仲間がいる」
この状態になると、物販(プロテイン)のサブスクを解約するハードルが上がります。

なぜなら、解約は「モノの購入停止」だけじゃなく、「毎日顔を合わせる先生(コーチ)のおすすめを断る」という、心理的に気まず~い行為になるからです。
合理的な価格比較を超えた、強力な「心理的スイッチングコスト」ですね。

ロックイン②:物販がジムを辞めさせない

さらに強力なのが、逆のパターン。
「物販がジムの継続を支える」という構造です。

プロテインは、ジムに行かない日も「毎日」飲みますよね。
これがスゴイ。

ジムに行かない日(週4~5日)も、プロテインを飲むたびに「カーブス(=私の健康習慣)」を思い出し、ジム通いの動機付けが日常的に強化されます。

「プロテイン(健康習慣)が生活の一部になっちゃったから、ジム(運動習慣)も辞めづらいな…」

こうして、ジム(サブスク①)と物販(サブスク②)が相互に解約率を引き下げ合う、「LTV(顧客生涯価値)の永久機関」とも言える最強コンボが完成するんです!
(実際、カーブスHDはIR資料で「LTVを高め続ける経営」を掲げています)

なぜ他社はカーブスをマネできないのか?

「こんなにスゴイなら、他のジムもマネすればいいのに」
と思いますよね?

でも、それができないんです。
特に、カーブスとしばしば比較される「chocoZAP(ちょこざップ)」や「エニタイムフィットネス」には、決定的に不可能な理由があります。

無人・非対面モデルの「致命的な弱点」

エニタイムやchocoZAPの最大の強みは、「(原則)無人・非対面」であることです。
だからこそ、人件費を劇的に削って、あの圧倒的な低価格(月額)を実現できています。

しかし!
この最大の強みが、物販戦略においては「致命的な弱点」になります。

なぜなら、彼らはカーブスモデルの心臓部である…
「コーチ(信頼できる専門家)」という最強の販売チャネルを永久に持てない
からです。

chocoZAPがECサイトでプロテイン(Bpro)を売ることはできます(実際に売っています)。
でも、それはAmazonや楽天が支配する「価格競争のレッドオーシャン」に真正面から飛び込むこと。

そこには、カーブスが実現している「先生のおすすめだから」という絶対的な信頼に基づいた、高単価・高利益な「教育型販売」が入り込む余地は、1ミリもないんです。

カーブスが築いた参入障壁(お堀)は、「ビジネスシステムそのもの」にあるんですね。

【表2:主要フィットネスジム 物販戦略 比較分析】

企業名 物販モデル 販売チャネル 強み / 弱み(物販観点)
カーブス D2Cサブスク
(自社開発品)
コーチによる対面
(教育型販売)
【強み】 高信頼・高単価・高利益。価格競争を無効化。
【弱み】 人件費・教育コスト(だが物販利益で余裕で回収)
chocoZAP D2C(EC型)
(自社開発品)
ECサイト, 店舗(一部) 【強み】 RIZAPブランドの活用
【弱み】 「無人」ゆえ最強の販売チャネル(コーチ)不在。
ティップネス 小売モデル
(他社メーカー品)
店舗内ブティック 【強み】 多様な品揃え
【弱み】 「小売」のため利益率が低い。

まとめ:カーブスは「信頼」を売るD2Cプラットフォームだった

カーブスのビジネスモデルを解剖してきましたが、そのすごさ、伝わりましたでしょうか?

カーブスはもはや「30分フィットネス」の会社ではありません。

約8,000人の「コーチ」という強力な販売網と、80万人以上(!)のロイヤルティ(忠誠心)がめちゃくちゃ高い会員基盤を持つ、
「中高年女性の健康課題をワンストップで解決するD2Cプラットフォーム」
へと、完全に見事に変貌を遂げています。

ジムの固定費(家賃や人件費)は、ジム会費(サブスク①)と、超高利益な物販(サブスク②)で余裕で回収。
そしてこの「最強プラットフォーム」の上で、プロテインの次に「ヘルシービューティ」(これもD2C健康食品)という第二の矢を放ち、今後も「睡眠」「関節」「美容」など、中高年女性のあらゆる悩みに対応する「第三、第四の矢」を打ち続けるでしょう。(中期ビジョンでも物販売上を10年で2.3倍にする!と宣言しています)

カーブスのビジネスモデルの真髄、それは…

「ジム」という最強の顧客接点を使い、「コーチ」という絶対的な信頼関係を武器に、「健康課題」という悩みを解決するソリューション(物販)を売る

という、最強のビジネスモデルだったんです!

いやー、分析してて本当に「なるほど!」の連続でした。
ビジネスモデルって、奥が深いですね!

最後までお読みいただきありがとうございました╰(*°▽°*)╯

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