最近ネクタイを締めたのはいつですか?ノーネクタイ派?ネクタイ業界が衰退気味な理由を解説!

突然ですが、みなさん、「最後にネクタイを締めたのって、いつだっけ?」と思い出せないこと、ありませんか?

弊社ではネクタイしている人はほぼ見かけません!ヾ(•ω•`)o

昔は「ビジネスマンの戦闘服」なんて呼ばれ、スーツとセットで“当たり前”だったネクタイ。
それが今や、大事な商談や冠婚葬祭の時くらいで、普段の仕事ではほとんど見かけなくなった…なんて方も多いのではないでしょうか。

「クールビズが定着したからだよね」
もちろん、それが一番の理由です。

でも、それだけじゃなかったんです!

この記事を読めば、なぜあんなに強力だった「ネクタイという様式」が、たった一つのキッカケでここまで激減してしまったのか。
その裏にある、私たちビジネスパーソンの「本音」と、社会の「大義名分」が絡み合った、非常に興味深い「なるほど!」な理由がスッキリ分かりますよ!

実は、ネクタイ市場のデータを深掘りしてみると、ある年を境に「崖」から落ちるように数字が激減した、衝撃の事実が記録されているんです。そのデータを元に、分かりやすく解説していきますね!

断捨離しているときに、ネクタイどうしようっかなぁ・・・と悩んで色々調べた内容をまとめます!

衝撃!データが語る「崖からの転落」…2005年に何が起きた?

「ネクタイ、減ったよねぇ」
これは、私たちの“体感”ですが、実際のデータは、私たちの体感以上に衝撃的なんです。

ここで、日本ネクタイ協同組合連合会などの公表データを基にした、ネクタイの国内供給本数(国産+輸入)の推移を見てみましょう。

私が信頼できる情報源から確認できた主要な年のデータをまとめたのが、こちらの表です。
(※公表データが断片的なため、データが確認できた年を抜粋しています)

年度 国産本数 輸入本数 国内供給本数(合計)
1996年 約 5,160万本
2004年 約 3,500万本
2007年 965万本
2019年 310万本 1,420万本 約 1,730万本
2021年 219万本 1,130万本 約 1,349万本

*(参考:日本ネクタイ協同組合連合会、東京商工リサーチ等の公表データを基に作成)*

いかがでしょうか!?

注目していただきたいのは、2005年のクールビズ開始を挟んだ前後の数字です。

■クールビズ直前(2004年):約 3,500万本
ピーク(1996年)は過ぎていましたが、それでもまだ巨大な市場でした。

■クールビズ定着後(2019年):約 1,730万本
なんと、クールビズ直前の半分以下にまで激減しています。

まさに「崖からの転落」ですよね。

政府主導の「地球温暖化対策」という、誰も反論できない社会的な「大義名分」が与えられた瞬間。
それまで「マナーだから」「様式だから」と、なんとなく続いていた習慣が、一気に崩壊を始めた決定的瞬間でした。

当時のネクタイ業界は、この動きを「一過性のものだろう」と予測していたそうです。
(参考:東京ネクタイ協同組合)

1970年代の「省エネルック」なども定着しなかったため、今回も大丈夫だろう、と。

しかし、この予測は、致命的に外れることになります。
なぜ2005年のクールビズ“だけ”が定着し、ネクタイ市場に回復不可能なほどのダメージを与えたのでしょうか?

クールビズは「最後の引き金」に過ぎなかった?水面下で溜まっていた“本音”

実は、2005年のクールビズは「変化の開始点」ではなかったんです。
あれは、すでにパンパンに溜まっていた不満を爆発させる、「最後の引き金」に過ぎませんでした。

どういうことか?

クールビズが始まる前から、世の中には「ネクタイをしなくてもいいのでは?」という空気が、じわじわと広がっていました。

例えば、こんな流れです。

  • 職場での服装が、少しずつカジュアル化し始めていた。
  • 「ヒルズ族」に代表されるようなIT関連会社の社長たちが、Tシャツや自由な服装でメディアに登場し、新しい「成功者」のイメージを作っていた。

彼らは、伝統的な「スーツにネクタイ」という「様式」に準拠していませんでした。
それでも、いや、むしろそうであるからこそ、新時代の寵児として輝いて見えたんですね。

そんな中で、多くのビジネスパーソンは心の底でこう思っていました。

「ネクタイって、ぶっちゃけ暑いし、窮屈だし、実用的な意味って何かあるの…?」

この「様式」に対する潜在的な違和感や、「もっと快適に働きたい」という「本音」が、
水面下で飽和点に達していたんです。

そこへ、「クールビズ」という完璧な「大義名分」が投下された。
「ネクタイを外す」という行為が、「マナー違反」や「だらしない」ではなく、
「環境に配慮した、賢い選択」へと一瞬で変わったのです。

それはもう、止まりませんよね!

なぜ業界の予測は外れた?「環境問題」VS「文化変容」のズレ

ネクタイ業界の予測がなぜ外れたのか。その敗因は、この“ズレ”にありました。

業界は、この動きを一過性の「エコブーム」として捉えてしまいました。
「夏が終われば、またネクタイを締めるだろう」と。

しかし、本質はそこではありませんでした。
本質は、もっと大きな「うねり」。
つまり、「ビジネスマナーの構造変化」であり、「文化変容」だったんです。

「様式」とは、一度「合理的ではない」と多くの人に気付かれてしまい、
さらに「それをやらなくてもいい理由(大義名分)」が与えられてしまうと、
驚くほどのスピードで崩壊してしまう、という脆さを抱えていたんですね。

ネクタイという「様式」が提供していた価値(威厳)よりも、
ノータイ(クールビズ)が提供する「実用的な価値(快適さ)」と「社会的な大義名分(エコ)」が、
人々の「本音」と結びついて、圧倒的に上回ってしまった。

これが、2005年に起きた「崖からの転落」の正体だったんです。

ネクタイの未来は?「日常」から「儀礼的アイテム」への道

では、ネクタイはもう、このまま消えていってしまうのでしょうか?

私は、そうは思いません。
ただし、その「役割」は大きく変わりました。

考えてみてください。
ネクタイを締めることに、現代の業務における「実用的なメリット」は、残念ながらほぼゼロです。
むしろ「暑い」「窮屈」「邪魔」というマイナス面の方が大きい…

だから、日常の業務シーンからは姿を消しつつあります。

その代わりに、ネクタイは「儀礼的なアイテム」としての役割を強めています。

どういうことかと言うと、

  • 冠婚葬祭(結婚式やお葬式)
  • 就職活動の面接
  • 重要な式典やパーティー
  • 心から謝罪する場面
  • 格式を重んじる業界での、最重要商談

こういった、「日常」とは区別された「非日常」の場面や、
TPOが厳格に求められ、「相手への最大限の敬意」を“様式で”示す必要がある場面でこそ、
ネクタイは「ここぞ!」という時のアイテムとして、生き残っていく道を選んだのです。

毎日使う「実用品」から、特別な日にだけ使う「儀礼品」へ。
これが、ネクタイがたどり着いた「今」なんですね。

【おまけ】この戦い、別の場所でも…?ブリーフケースとリュックの攻防

さて、ここまで「ネクタイ」の話(様式 vs 実用)をしてきましたが、
実はこの構図、今のビジネスシーンの“別の場所”でも、そっくりそのまま起きているんです。

そう、「カバン」です!

伝統的な「ブリーフケース」と、
ここ数年で一気に普及した「ビジネスリュック」の戦いですね。

ちょっと前まで、「スーツにリュックなんてみっともない!」という「様式」側の意見が強かったですよね。
でも、どうでしょう?

  • ノートPCやガジェット類で、荷物が昔より格段に重くなった
  • 両手を空けてスマホを操作したい
  • 会社のフリーアドレス化で、全荷物を持って移動する必要が出た

こういった、圧倒的な「実用」の波が押し寄せ、
「みっともない」という「様式」側の意見は、急速に力を失っていきました。

ただ、ネクタイとリュックで決定的に違うのは、
ネクタイ市場は需要そのものが“蒸発”してしまったのに対し、
ビジネスリュックは「新しい様式」を確立し、
TUMIや高級ブランドまで参入する「高付加価値市場」へと進化している点です。

この「バッグを巡る戦い」も、掘り下げるとすごく面白いのですが、
長くなってしまうので、この話はまた別の機会に!


まとめ

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

「そういえば、最近ネクタイしめてないな…」という、
私たちのささやかな「体感」の裏には、こんなにもダイナミックな「様式」と「本音」の戦いがあったんですね。

ビシッ!としたネクタイ姿もいいですが、毎日締めるのはちょっと面倒だな・・・と感じますね。なんなら、一度解放感を味わってしまうともう戻れません。

ネクタイの衰退が私たちに教えてくれるのは、
「なんとなく続いていた様式」や「当たり前」は、
時代の変化、そして「もっと合理的でありたい」という人々の本音、
さらには「大義名分」という強力な後押しの前では、
驚くほどあっけなく崩れ去る、ということ。

もしかしたら、私たちが今「当たり前」だと思ってやっている仕事の進め方やビジネスマナーの中にも、
未来から見たら「なんであんな非合理的なことしてたの?」と笑われてしまう「様式」が、
まだまだ隠れているのかもしれませんね!

「それって本当に必要?」と、
“当たり前”を疑うことが、新しい時代を作る第一歩なのかもしれません。

そんなことを思いながら着なかった夏服を捨てて断捨離を終えました。

 

最後までお読みいただきありがとうございました╰(*°▽°*)╯

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