■ごあいさつ
皆さま、いかがお過ごしでしょうか。『スタッフぐでぐで』です。
今回はカニに関する話(厳密にはカニのようなもの)についてご紹介
いたします。
さて、皆さまが普段認識しているカニは本当にカニでしょうか。
系統の異なる様々な甲殻類は、カニの形状こそが理想の体形と考えて
様々な種が各々独自にカニの姿に進化しています。
いわゆる収束進化(収斂進化)と呼ばれる現象です。
皆さまにカニの新たな一面を知っていただけるかもしれませんので
ご一読いただけますと幸いです。
■この中で「カニ」でないものはどれでしょうか。
上の図は左からタラバガニ、ハナサキガニ、ヤシガニです。
知名度ではタラバガニの方が有名かもしれません。ハナサキガニは
北海道の道東地域で漁獲されます。
タラバガニの身はしっかり詰まっているので、食べ応えがあります。
ハナサキガニはジューシーで濃厚な甘みが特徴です。
タラバガニはカニ味噌を食べられないので、カニ味噌目当てなら
ハナサキガニが選択肢に入ります。
ヤシガニは昔から石垣島で食されています。わざわざ好んで食べる
方は少数かもしれませんが。
ちなみにこの中で「カニ」でないものはどれでしょうか。
1.タラバガニ
2.ハナサキガニ
3.ヤシガニ
■収束進化(収斂進化)とは
哺乳類、魚類のように別の部類の生物なのに環境に合わせた結果
似たような姿へ進化することを指します。
例としては
タヌキとアライグマ
アルマジロとセンザンコウ
オオウナギとデンキウナギ
イルカとサメ
等が挙げられます。
植物なら
サボテンとユーフォルビアが有名です。葉が退化し茎が
多肉となる点が似ています。
■水の中ではカニの姿はある種の完成形(Credit:Bio Essays)
さて、「タラバガニ」「ハナサキガニ」「ヤシガニ」
の中で「カニ」でないものはどれでしょうか。の回答ですが
答えは全部カニではないです。これらは全て「ヤドカリ」の仲間となります。
タラバガニやハナサキガニは見た目がカニなんですが、遺伝(系譜)としては
ヤドカリの仲間です。
ヤドカリの姿で生きるよりもカニの姿で生きる方が、種の生存には
適していたからという説が有力です。
系譜を辿っていくと、カニの姿になること(カニ化)とカニの姿を
脱却(脱カニ化)することが起きています。カニ型は他の種に比べ融通が
効くようですが、それでも特異性が目立ちます。
これはカニとヤドカリの先祖がもともと曖昧だったからという説が有力です。
子孫であるカニとヤドカリの両方に、カニ化と脱カニ化を繰り返せる融通性を継承
していると言えばカッコイイですが、ご先祖様には厄介な問題は早く解決して次世代
へ重い課題を押し付けないでほしいと個人的には思います。
一部は脱カニ化していますが、大部分はカニ化しているのが現在までの流れです。
ちなみにイソギンチャクとの共生を進化させて、両ハサミにイソギンチャクを
付けているキンチャクガニ(これはオウギガニ科の生物なので分類上はカニ)
という種も存在します。
・・・もうなんでもありですね。
この中でカニ化した甲殻類で市民権を得ているのがタラバガニとなります。
ヤドカリの仲間ですが。
■カニ化の果てに
【カニ化】カーシニゼーション【全ての道はカニへと続く(水の中限定)】
の記事についていかがだったでしょうか。
少しずつ進化を重ねて、水の中で生きるにはこの姿が最良であったとの説が
有力です。カニの仲間は細かい分類で「十脚目短尾下目」いわゆるカニ下目
に属していて、現生種として6,500種以上もいます。
これは十脚目全体(14,300種以上)の約45%を占めています。
学術的な話はさておき、種として生き延びている種類が圧倒的に多いのは
「カニ」の姿ということになります。
そのため、「十脚目異尾下目」(ヤドカリ下目)もカニの姿へ寄せているの
でしょう。
■「かにの王様」と呼ばれるタラバガニ
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身入りぎっしり!!
ジューシーな味わいを是非ともご堪能ください。
かにの王様なのにヤドカリの仲間なの?
という矛盾もありますが、「カニの形をしたヤドカリ」
ということで受け止めてくださいませ。
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