【釧路市】そこそこ都会なCool KUSHIROをご紹介【道東地方】 

■ごあいさつ
皆さま、いかがお過ごしでしょうか。『ただ』のぐでぐでです。
今回は知人の誘いもあって釧路市(北海道)へ出向きました。

誘い自体は昔からいただいていましたが、仕事の予定が調整できず
これまではずっと断っていました。
現在のぐでぐでは税に関する仕事に従事しているため、ぶっちゃけ
今の時期から新年を迎えるまで時間に融通が利く状態です。

そんなわけで本州(東京、大阪)に比べて約10℃は涼しく真夏でも
30℃を超える日は限られるうえ、札幌市や旭川市と比べて意外と雪
は少な目という釧路市を紹介したいと思います。

釧路市到着直後は景勝地と食について紹介するつもりでしたが、後
でも触れるように天候の急変によって景勝地(観光地)の紹介は中止
になります。まぁ、釧路市の成り立ちの話で逸話があるのでその辺り
を代わりに紹介していこうと思います。

余談ですが、スギ・ヒノキが自生していないので花粉症で悩む方には
住むにあたって最適な環境となりますね。
(春から初夏にかけてシラカバ等の花粉は飛散します)

それでは、よろしくお願いいたします。

 

 

■同じ名前の別の街が隣にある
釧路市・釧路町と「釧路」の名を冠した自治体が2つあります。これは
1920年に旧・釧路町(現・釧路市)が釧路区になったときに遡ります。
当時の北海道行政は市はなく、町村の他に区がありました。最初に
区制を導入したのが、札幌・函館・小樽(1899年)です。その後旭川
(1914年)と室蘭(1918年)が続き、最後に釧路(1920年)です。

区制を導入するにあたり条件があり、それは面積に対して人口が集中
する市街地の割合が大きい必要がありました。当時の旧・釧路町は面積
は広大ですが、人口の集中する場所は釧路川河口付近だけでした。
そこで、区入りする悲願を達成するために選んだ選択肢として…

「市街地以外の郊外を切り離す」

というものでした。しかもこの分村処理を旧・釧路町役場と北海道庁が
非公式に進めてしまったことで、分村される側から強い反発を受ける
ことになりました。

<名称遷移の流れ>
旧・釧路町
↓      ↓
釧路区   釧路村
↓      ↓←昆布森村
釧路市   釧路町

釧路区は1922年に市制施行で釧路市へ、釧路村は1955年に昆布森村と
合併して1980年に町制施行で釧路町となりました。

こうして、現在の「釧路市」と「釧路町」という同名の自治体が存在
するわけです。過去の経緯から仲は良好とは言えない状態がしばらく
続いたものの、世代が進んだこともあり昔ほど気にしていないという
のが実情です。

 

 

■なぜ飛び地があるのか
ところで釧路市を地図でみると気になることがあります。
なぜ2つに分かれた飛び地になっているのか。
これは「平成の大合併」で不誠実な行動をした成れの果ての姿です。

…もう少し解説をします。
「平成の大合併」とは平成時代(1999年~2010年頃)に国が主導して
財政基盤の強化と行財政の効率化を目的に、人口減少・高齢化が進む
小規模な市町村を合併させた大規模な地方自治体の再編のことです。

次項で語る「地域産業の衰退」で財政に不安を抱える釧路市は当時の
他自治体の例に漏れず、周辺自治体に呼び掛けして市町村合併の協議
会を設置することになりました。
厳密に述べると釧路市は「釧路町との協議会」「釧路市・釧路町・
白糠町・鶴居村・阿寒町・音別町の6市町村での協議会」の2つを並行
させていました。

<周辺自治体の最終判断>
〇釧路市
×釧路町
□白糠町
△鶴居村
〇阿寒町
〇音別町

〇の3自治体は実際に合併しました。
×の自治体は釧路市の「不誠実な行動」に反発して協議会を離脱し
6市町村での協議会は解散となります。当然ながら釧路市との個別
協議会も解散となります。

△の自治体は住民アンケートで6割が合併しないを選択したので
次の合併協議会には参加しない選択を選びました。

□の自治体は〇の自治体と設置した4市町合併協議会に参加するも
住民投票で反対が55%に達して協議会を離脱しました。

当初の構想では6つの自治体が1つになるはずでしたが、実態は3つの
自治体の合併に留まりました。

白糠町が合併しないことにより、音別町と釧路市・阿寒町は飛び地
になってしまいます。これが飛び地の発生する理由です。

なお、釧路市の「不誠実な行動」がなければまた違った結果になっ
ていた可能性は高いです。なにせ当時の釧路市長が合併のために
法律を犯し、公職選挙法違反で逮捕されてしまうという事件があっ
て周辺自治体との信頼関係を壊してしまったからです。

概要としては釧路市役所職員のうち、釧路町在住者に対し合併推進
派候補への投票や取りまとめを指示したと伝えられています。
ついでに釧路町側の合併推進派候補は落選という結果になりました。

 

 

■地域産業の衰退
石炭・漁業・製紙。この3つは釧路市の人口を増加させた基幹産業
として長年貢献してくれました。最盛期の1980年には人口23万人を
超えていました。これらの産業が衰えていなければ、今も隆盛を誇
っていたことでしょう。

しかしながらエネルギー革命で燃料の主役は石炭から石油に移り変
わるのと、2002年1月に全ての炭鉱が閉山して長い歴史に幕を閉じ
ました。(最後に閉山したのは太平洋炭砿)

漁業については200海里の経済水域を設定することで遠洋漁業が不可
となり、水揚げ量は2位へ転落しました。ただ、釧路近海でイワシが
大量に獲れるようになったので、しばらくは水揚げ量1位へに返り咲き
ました。ですが、1994年を最後にイワシが獲れなくなり、漁業は衰退
することになりました。

最後の砦であった製紙も釧路にある日本製紙工場が2020年に撤退を発
表し、2021年に撤退しました。スマートフォンの普及とコロナ禍にお
ける経済活動の停滞も少なからず影響を及ぼしていました。
これで3つの産業全てが衰退することになりました。

 

 

■漁業については回復の兆しあり、石炭も将来性が見込める
漁業については2023年、2024年と水揚げ量1位を記録しており、そう
悪い話ばかりではありません。

石炭については実は地元企業で出資した釧路コールマインが炭鉱事業
を引き継ぎ日本で唯一の炭鉱たる太平洋炭砿で石炭を産出しています。
長らくの間、石炭需要の回復は見られず赤字経営が続いていましたが、
新たな火力発電所でエコな石炭発電を確立したことで5期連続で黒字化
に成功しています。

石炭と木質バイオマスを動力源にしてCo2(二酸化炭素)の排出量を
大きく削減しています。実はLNG(液化天然ガス)よりCo2排出量が
少ないです。石炭は現状輸入品をベースにしていますが、国内で賄え
るようになれば、エネルギー資源の選択肢が広がることになります。

北海道は土地柄、電気代が高くなる傾向があります。石炭を本格的に
再実用化へ繋げればより良いエネルギー資源の管理が実現できるよう
になるでしょう。

 

 

■安価で美味しいものは変わらず充実
栄枯盛衰とは栄えたり衰えたりすること。隆盛と衰退が交互にめまぐ
るしく訪れるさまを表します。ですが、グルメについていささかも衰
えることはありません。

早速紹介していきます。

【北国の味 炉ばた 浜】

お通し、ニシンの切込み、すじこ、いぶりがっこチーズ
ししゃも刺し、焼きたらこ(写真の順番通り)

飲食店が集中しているのは末広町1丁目~5丁目、栄町1丁目~5丁目
ですが、釧路駅周辺からだと徒歩で10分くらいかかります。
「北国の味 炉ばた 浜」は数少ない釧路駅側に点在するお店で23時
と遅めの時間まで営業している貴重な存在です。

周辺ホテルで予約しているならここは大変便利です。

特筆すべきは「ししゃも刺し」でしょうか。北海道の太平洋岸で
獲れる貴重な種です。醤油でいただきましたが、塩やレモンで食べ
て味変を楽しめばよかったと感じました。

 

 

【釧路食堂 末広店】

明太子、蝦夷鹿バラ焼き、トラフグの皮ポン酢、カニ玉子焼き
(写真の順番通り)

釧路市でも屈指の繁華街、末広町周辺のお店です。
この辺りに来ると多くの飲食店があるので店選びに困ることは
ありません。

特筆すべきは「蝦夷鹿バラ焼き」でしょうか。北海道ならでは
の食材です。次の予定が迫っていたので、短時間の滞在でしたが
肉は出来立てほやほやでいただくのが一番美味しいです。牛肉
よりも脂質が少なく約10分の1となります。

 

 

【河むら】

写真は昔風ラーメン(醤油)

魚介香るスープにまろやかな醤油タレが全体を引き締めて手揉み
された細麺が絡みつく釧路ラーメンの本流を受け継ぐ一軒です。
ここは地元の知り合いに紹介してもらったお店です。ラーメンで
迷うならこのお店。

 

 

【霧笛】

晩酌セット、昆布森産たこ
(写真の順番通り)

この日4件目ということで晩酌セットと昆布森産たこに絞りました。
昆布森でとれるタコは身が引き締まり、旨味が凝縮されています。
港から近くの加工場で浜茹でするので新鮮さ抜群です。

特にタレをつけなくとも味付けがあるのでタコの旨味を存分に味わえ
ます。

 

 

【かど屋】

写真は名代ラーメン

この店の食べ物は名代ラーメンと名物つぶ焼きの2品のみです。
そして行列が絶えないです。本来は1軒目ではなく何軒か回った後
に〆で行くお店と思います。

ラーメンは真っ黒な醤油の見た目ながら出汁が効いていて塩辛さ
を感じず汁が飲み干せる味です。福司(釧路の地酒)と割って飲む
のもいい感じで酔いを楽しめます。

 

 

■釧路・十勝地方で「線状降水帯」が発生
冒頭で触れた天候の急変です。
北海道では初の「線状降水帯」発生です。帰りは飛行機なので
足止めされることはありませんでしたが、観光地を巡るプランは
中止になりました。自然の力は偉大で人の力で簡単にどうにかで
きるものではありません。これは仕方ないですね。

次回はいつになるかわかりませんが1年以内に釧路へ再訪しようと
思います。今度こそは観光と飲食を。

 

 

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