【でんき】電気料金値上げの危機~燃料費調整額の撤廃~

■ごあいさつ
皆さま、いかがお過ごしでしょうか。『スタッフぐでぐで』です。
今回はインフラに関するお話となります。その中でも料金高騰著しい『電気』について
取扱いいたします。可能な方は新電力から地域の電力会社への切替を推奨します。
そのときのプランは規制料金でお忘れなく。

重要な話なので出し惜しみせずに先に結論を述べました。
既にこの手の事情をご承知の方には無用の記事となりますが、『どうして?』と疑問に
思う方は、引き続き記事を最後までご覧いただきますようお願いいたします。

興味ない方も、これからの電気料金を記録して昨年と比較できるようにしてください。
恐らくは大部分の方が昨年に比べて電気料金がアップするはずです。

今、対策できない場合でも記録を残しておけば、後日対策することもできるので
これからの電気料金を注意深く見ていただくよう重ねてお願いいたします。

 

 

■燃料費調整単価の上限撤廃の流れ
電気料金は基本的に以下の4つで構成されています。
※本記事を執筆している段階では1~3は大きく変更ないのでここでは触れません

1.基本料金
2.電力量料金
3.再エネ賦課金
4.燃料費調整額 ←今回はここの話を重点的に説明していきます。

燃料費調整額は
燃料費調整単価×毎月の使用料(kWh)で算出します。

燃料費調整単価は原油、LNG(液化天然ガス)、石炭の仕入れ価格によって
『毎月』変動します。

原油、LNG(液化天然ガス)、石炭を安く仕入れられる場合は
燃料費調整単価はマイナスになることもあります。

しかしながら、昨今の現状として燃料費調整単価は上がっていくばかりです。
様々な理由で急激に上昇していますが主な要因は次の3つとなります。

『ロシア・ウクライナ情勢』
『LNG需要増加』
『急激な円相場の変動』

本記事を執筆時点でいずれも解決の見込みがないため、まだまだ上昇していきます。

実は、燃料費調整単価には消費者保護の観点より契約者へ請求できる単価に上限が
設定されています。これにより急な高額請求が発生しないようになります。
一方でその帳尻合わせとして、電力会社に大きな負担が発生します。

短期的であれば吸収できるかもしれませんが、長期的となると負担が大きくなって
財務状況が悪化して事業存続ができないレベルにまで発展します。

電力会社が用意するプランは大きく2種類あってそれぞれ「規制料金」と
「自由料金」です。

規制料金・・・変更に国の許可が必要
自由料金・・・変更に国の許可は不要(事業者の判断で変更できる)

新電力会社は「自由料金」でプランを用意しているので事業存続が危うくなると
判断して燃料費調整額の上限撤廃に踏み切っています。

そのため、燃料費調整単価が上がり続けると契約者の支払額も比例して上がり続ける
ことになります。

なお、地域の電力会社の規制料金プランには燃料費調整単価の上限が設定されている
ので今しばらくは急な高額請求が発生しないようになります。

 

 

■今後の情勢は
では、地域の電力会社の規制料金プランにすれば大丈夫なのか。燃料費調整単価の
上限が設定されているから安心なのか。と問われると安心することはできません。
そのため、『今しばらくは急な高額請求が発生しない』という表現に留めました。

それは「規制料金」は事業者の判断だけで変更できないが、所定の手続きを踏まえて
変更申請をして国が認めた場合は変更できるからです。燃料費調整単価は上昇している
のに利用者に請求できず電力会社が負担することは、電力会社の財務状況が悪化して
いくことになります。

そのため国に「規制料金」の値上げについて許可を求めることは十分に考えられる
ケースとなります。本記事を執筆時点で規制料金の有無にかかわらず何らかの値上げ
申請を検討している地域の電力会社は

・東北電力
・東京電力
・北陸電力
・中部電力
・中国電力
・四国電力
・沖縄電力

の7社となります。

・北海道電力
・関西電力
上記2社は現時点では明言せず。

・九州電力
現状は値上げせずと表明あり。

 

 

■おわりに
さて、【でんき】電気料金値上げの危機~燃料費調整額の撤廃~
の記事についていかがだったでしょうか。

改めて、地域の電力会社で提供している規制料金への切替を推奨します。
近い将来、本記事を執筆時点と前提条件が大きく異なることが発生するかもしれません。
そのときのためにも日々の電気料金の請求額は把握できるよう記録を残してください。
いつの日か役立つ日が来るかもしれません。

今回は真面目で固い話となりましたが、それだけ危機感の強い内容となります。
皆さまも電力事情に関するニュースに触れていただき各々で出来る対策を講じて
ください。
遠い将来、燃料費調整単価が下降してきたら、改めて新電力を含めて料金プランを
見直しするようにしましょう。今は守勢で耐えて電気料金の請求額を上手に節約できる
ように心掛けてください。

それでは次の記事でお会いしましょう。