■ごあいさつ
皆さま、いかがお過ごしでしょうか。『ただ』のぐでぐでです。
朝と夜はようやく涼しくなってきました。快晴のお昼はまだまだ暑いですが。
さて、今回は「はし本」(大阪・北新地)の懐石料理を紹介いたします。
昨年の夏頃に訪ねたお店です。再訪のきっかけとしては、おせち監修料亭を巡って
記事にしたメモ内容を整理したときに、懐石料理を頼んでいないことに気づきました。
今でこそ懐石料理を注文する型が整いましたが、最初の頃は手探りでいろいろ試行錯誤
していた時期に訪ねたお店なので、アラカルト(単品)で注文していたようですね。
他にも、懐石料理を頼んでいないお店があったのでそちらは時間をみつけて再訪して
みようと思います。
<前回立ち寄った際の記事>
前回が夏頃だったので、今回は時期を変えて秋頃といたします。
・・・まだ暑いけど季節上は秋。懐石料理も秋仕様でいただきます。
■はし本の懐石(会席)料理について
ランチの時間帯に提供されるのは「ミニ会席」で友人・知人との気軽な食事に
おススメとなります。
ディナーの時間帯に提供されるのは以下の4つです。
・花懐石
・月懐石
・雪懐石
・雅懐石(要予約)
また、季節限定の懐石料理もあります。秋の時期なら松茸特別懐石という限定
メニューが用意されています。
秋を感じる料理が食べたいと要望を出して、検討の結果、雅懐石と松茸特別懐石を
ミックスさせた特別メニューでいただくこととなりました。
■懐石料理と会席料理の違いについて
口頭だとあまり気になりませんが、文字で記載する関係で念のため「懐石料理」と
「会席料理」の違いについて触れておきます。
どちらも室町時代に成立した「本然料理」をベースに発展したものとなります。
<懐石料理>
元々は、茶会で農茶をいただく前に提供される簡素な料理を指します。
茶道の「わび・さび」を料理で表現し、食事中の作法は茶道の各流派によって
厳しく決められており、箸の置き方や食事の順番、食べ終わるタイミングが
作法に則って進められていきます。
空腹をしのいで身体を温める程度の質素な食事が懐石料理となります。
<会席料理>
人と人が会う席で提供される料理です。お酒と一緒に楽しむ宴会料理と思って
いただければ問題ないです。懐石料理に比べて細かいルールはないので、見た目
を華やかにして品数を多くします。お酒に合う料理が多めに出てきます。
そんなわけで、本来の「懐石料理」は茶道を嗜む方くらいしかいただく機会はない
と思われます。現在では懐石と会席の定義があいまいになって、どちらもお酒を
楽しむ食事と変わってきています。そのため、「懐石料理」と称していても酒と
一緒に料理が出される宴会料理たる「会席料理」が出されることがあります。
■お店で実食したメニュー(松茸雅懐石)
御献立は女将さんにて作成いただきました。
今回は松茸メインで進めて参ります。一部のメニューは同席者の感想も
記載していきます。
・食前酒
梅酒は胃腸の働きを助ける以外に、クエン酸の効果で食欲を促進させてくれます。
他の酒に比べてアルコール度数が低いため、お酒が苦手な(弱い)方でも無理なく
飲める点がおススメです。
注意としては体質としてお酒を受け入れられない方もいます。その場合は無理に
食前酒を飲まず、食事を楽しむようにしてください。
順番に「八海山 にごり梅酒」「はちみつ梅酒」「南高梅酒」です。
全てロックで提供いただきました。
・先付 焼松茸と菊菜のお浸し
松茸の主張は弱めで、菊菜の存在感の方が強かったです。
なお、味付けは控えめです。周りに穴が開いている変わった器も特徴です。
・焼物 松茸土瓶蒸し
見た目から楽しめる品です。蓋を開くとお皿として使えます。そして、もう
1つの蓋を開けると熱々の松茸が出てきます。品名には記載していませんが
鱧もあります。
夏から秋に変わる過程ということと、鱧と松茸は相性がよいという理由から
セットになっているみたいです。
同席者からは味よし、香りよしと五感で楽しめると大変満足していました。
ぐでぐで個人としてはこの出汁を日本酒で割って飲みたいと思ったくらい
大変素晴らしい出汁でした。
すだちは味変のために使うようおススメされましたが、土瓶に直接入れず
土瓶からお皿(小皿)に出汁を入れてから使うようにと助言ありました。
土瓶に直接入れると、その時点で味変ができなくなるためとのこと。
小皿に出汁を入れて、奇数回はそのままとして偶数回はすだちを使って
味変を楽しみませてもらいました。
・日本酒 山城屋
こちらのお酒はメニュー表にない品ですが、ぐでぐで(酒飲みの方)向けに
ご用意くださったようです。リピーター客ということで前回、前々回の食事
ぶりから傾向を察したとのこと。
思えばこのはし本も3回目の訪問となるのでリピーターと言っても差し支え
ないのかもしれません。
※1回目の内容は<前回立ち寄った際の記事>を参照
2回目は私用で立ち寄ったので記事は書かず
辛口なのにフルーティーな感じです。立ち香が程よくあって、口に含めば
ライムのような柑橘系の香りを感じ甘味はしつこさがなく、サラリとして
すっと消えます。後味はシャープなキレを感じます。
・造り 本鮪 縞鯵 鯛 剣先烏賊 雲丹 車海老
綺麗な器に海鮮がずらずらと並びます。醤油と塩が用意されており、どの
海鮮に醤油を使うのか、塩を使うのかおススメされます。これに関しては
拘りなければ、おススメの通りとして、違った味を楽しみたいなら自身の
判断で変えてよいでしょう。
ちなみにぐでぐでは車海老と鯛は塩でいただき、残りは醤油でいただき
ました。
同席者は剣先烏賊の食感がとても気に入ったみたいです。ぐでぐでは
車海老の歯ごたえに充実感を覚え、余さずいただきました。歯を頑丈に
保っていてよかった。
・焼物八寸 鰻蒲焼 焼松茸 竹炭蒲鉾 地鶏玄米揚 焼茄子お浸し
奈良漬クリームチーズ
器から秋を感じさせる色合いです。焼松茸、地鶏玄米揚は出汁につけて
いただきます。残りの品はもともとの味付けのままいただきます。
鰻蒲焼は焼き加減が絶妙でパリっと感じさせる歯ごたえと口の中に広がる
食感が心地よい気持ちへ誘ってくれます。焼松茸は出汁に浸けて、適度な
味付けが爽快感を与えてくれます。
同席者も同様の見解を持ったうえで、竹炭蒲鉾、奈良漬クリームチーズ
が他では味わったことがない品ということで、時間をかけてゆっくり食事
を楽しんでいました。
・日本酒 北雪 純米(辛口)
米と水と風土に拘り、ほのかな酸味とキレのある軽いスッキリとした辛口
な味わいです。
山城屋を先に飲んだので物足りなさを感じましたが、こちらのお酒は十分な
クオリティを保っているため、最初に注文する日本酒としておススメできます。
蒸物 フカヒレと松茸の茶碗蒸し
いわゆる高級食材です。食感がプリプリして柔らかくあるものの、同時にコリ
コリした食感もあります。茶碗蒸しの中にある銀杏の食感も相まって味わい
深くなっています。
同席者は普段食べられない品とのことでこちらも時間をかけて味わっていました。
替鉢 黒毛和牛サーロインソテー松茸餡掛け
何度も似たような表現で恐縮ですが、口の中でとろけるような食感が広がります。
肉料理ですが、食べやすく噛み切れるきれる絶品です。
肉だけでも高級ですが、松茸ももれなくついてきます。
食事 松茸御飯
香物 みぶ菜 いぶりがっこ 昆布佃煮
留碗 赤出汁
御飯も松茸づくしです。飽きが来ないよう、香物と留碗で味変を加えていただき
ます。終盤にも関わらず食欲は衰えずあっと言う間に完食してしまいました。
同席者も食欲が衰えずまだまだ食べられるとのことで、早々に食べきっておりました。
水物 栗プリン 梨 ざくろ
秋と言うことで栗プリンや梨が用意されました。
甘味は論評せず美味しくいただくのみ。
■店内の様子
閉店の時間をまもなく迎えるところでしたが、ぐでぐで以外のお客さんが帰った
ようなのでご厚意に甘え、店内(個室)の写真を撮らせていただきました。
この部屋は仕切りを外して1つの部屋とすることができます。
多人数でお食事する場合はご参考までにどうぞ。
■はし本監修おせち「喜翔」
さて、これにて
「【はし本】穏やかな温かい空間で愉しむ秋の懐石料理を紹介します(雅懐石)」
の記事は終了となります。
はし本は今回のようなコース料理の他にアラカルト(単品)注文にも対応している
ので、臨機応変で柔軟な料理プランを組み立てることができます。
そのため、料理プランで迷ったら席のみ予約して、当日の判断で決めることができます。
一部のコース料理のみ事前予約が必要ですが、大半のメニューは当日判断で対応できます。
基本のメニューは海鮮が中心ですが、今回の松茸のように海鮮以外でも旬のものは用意
できます。季節ごとに様々な特別メニューが出てくるので、季節ごとに立ち寄れば
メニューで飽きが来ることはないでしょう。
大阪の北新地に立ち寄る際には「はし本」で素敵な料理を楽しんでみてかいかがでしょうか。
なお、大阪の北新地へ立ち寄るのが難しい方には監修おせち「喜翔」を紹介いたします。
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