どうも、京都出身、スタッフ池田です。
古い町並み、歴史ある寺社仏閣で有名な京都ですが、
それ以外にも『モダン建築』で有名なのはご存じでしょうか。
町屋が軒を連ねる場所でも、ふと見渡せばモダン建築があることも。
今回はそんな京都にあるモダン建築を楽しめる『モダン建築祭』をご紹介いたします。
最後に猫の画像も載せますのでお楽しみに。
京都モダン建築祭とは、京都で大切に守り継がれてきたモダン建築が
日時限定で特別に公開される建築一斉公開イベントです。
京都市と民間団体が連携する文化庁京都移転記念事業として、
2022年に始まり、京都の新たな魅力を発信する、年に一度の建築の祭典です。
京都で大切に守り継がれてきた建物や営みが“生きた文化財”として受け継がれており、
普段は公開されていない内側なども見る事が出来る貴重なイベントです。
今年は11/2~12で開催されました。
参加するには「1dayパス」か「パスポート」が必要です。
オンライン決済なら1dayパスは2000円、パスポートは全日程参加可能で4000円で
購入できるのでお得なのと、当日は受付で引換券を受け取る必要があるのですが、
並ぶリスクが少なくなるのでオススメです♪
(私は当日券の行列を差し置いて到着後すぐに受付完了しました)
さて、気になる拝観可能なエリアなのですが、
中京区、御所西、西陣、北大路、衣笠、北野、岡崎、京都駅、七条、河原町、五条、etc…
要予約が必要場所も併せるとなんと50か所以上!
京都中を移動して、とても1日で回りきれる数ではないです!
移動するだけでも大変なので、1100円で購入できる「地下鉄・バス1日券」がオススメです。
一枚で乗り放題ですので、京都を回るならこれが一番です!
乗車券を手に入れたら早速出発、全部は行けないので、距離と時間と相談です。
まずは1つ目
【京都市役所本庁舎】
京都市歴史的風致形成建造物というものらしい。
竣工されたのは1927(昭和2)年。
歴代議長の写真が飾られている議場やステンドガラス、漆塗りのエレベーターなど、
京都らしいレトロな雰囲気が満載ですね。
耐震工事の為に一部改修などが入っていますが、そのまま残せるものは残しているそうです。
建物の中をぐるっと回る事が出来たのですが、古い箇所と新しい箇所とが入り混じっており、
なんとも面白い構造をしておりました。
次に2つ目
【京都御幸町教会】
こちらは京都市指定有形文化財で、
竣工は1913(大正2)年。
レンガ作りの教会ですが、梁なども見られ、滑車を使った上下に動く壁などがあり、
シンプルな作りに見えるものの意外と技術が詰め込まれているようでした。
また、外観のレンガですが普通は段違いに組み上げるのですが、
ここではわざとズラして組み上げられており、なにか不思議な印象でした。
(案内の方によると、構造自体にはズラす意味がなく、施工者の遊び心だそうです)
右下の写真の「溝」が見えるでしょうか。通常、雨が降った時に
直接壁に雨が流れ、黒ずみが出来てしまいますが、この溝があることで
垂れるしずくをここで食い止める事が出来、今でもきれいなレンガの壁面が保たれているそうです。
細かい技術や遊び心が詰まった楽しい教会でした。
続いて3つ目
【カトリック河原町教会】
こちらの建物は聖フランシスコ・ザビエル大聖堂で、
竣工は1967(昭和42)年。
お隣が大規模工事中で外観が撮れませんでしたが、
町中に現れるすごく大きな教会です。
特徴的な天井とステンドガラスがとても神秘的な雰囲気を出しており、
なんだか心が落ち着くような、洗われるような気持になります。
他にも江戸時代のキリスト教弾圧について物語るガラス細工がある部屋や
地下にも小聖堂があります。
さらに4つ目
【本願寺伝道院】
こちらは重要文化財で
竣工は1911(明治44)年。
本願寺を大株主とする真宗信徒生命保険株式会社の新社屋として建てられたそうです。
残念ながらこちらの内観は撮影禁止でしたので画像は載せられませんが、
中は洋館のような雰囲気がありますが、インド風、中国風のあしらいなどが随所にあるそうです。
「石材や鉄に依存しつつも、欧化でも和洋折衷でもなく、日本建築の木造伝統を進化させること」
を明確に表現しているとのこと。
現在は本願寺伝導院として浄土真宗本願寺派僧侶の布教・研修の道場として使用されています。
そして5つ目
【龍谷大学大宮学舎】
こちらも重要文化財で、
竣工は1879(明治12)年。
とはいえこちらは現役の大学の学舎です。
屋内は撮影禁止だったので写真は撮れませんでしたが、
白を基調とした木造で、なんと「るろうに剣心」の実写映画のロケにも使われていたのだとか。
映画の中では軍部の施設として登場していたようです。
とうとう6つ目
【衣笠会館(旧藤村岩次郎邸)】
国登録有形文化財で、
竣工は1905(明治38)年頃。
平成24年から衣笠繊維研究所の拠点となりましたが、
元々は京都の基幹産業を担った機業家・藤村岩次郎氏の自宅洋館の一部でした。
こちらも撮影禁止で中の写真は撮れませんでしたが、
今では蚕や繊維についての展示スペースとなっているようです。
京都は西陣織りなどの繊維と深いつながりがあり、
絹を生産するカイコの基礎生物学から染織、化学繊維の物性、染色性に関する研究を行なってきたそうです。
少し離れた嵯峨野、太秦周辺は渡来系の秦氏が開拓した土地で、
秦氏が養蚕や機織などの新しい技法を伝えたとされています。
最後に7つ目
【櫻谷文庫(旧木島櫻谷家住宅)】
京都市指定有形文化財、京都市景観重要建造物で
竣工は[和館・洋館・画室]1913(大正2)年。
日本画家「木島櫻谷」の住宅で,広大な敷地に和館,洋館,画室があります。
レトロ感漂わせる当時の家具や、カルタやメンコなど色々残されているのに驚きです。
また、額に入った絵や掛け軸以外にも、多くの扇子や団扇にも絵が描かれており、
その作品数はかなりのものとなります。
当時の台所がほぼそのまま残されており、生活感も感じられました。
また、古いガラスならではらしいのですが、夕暮れの反射がガラスのゆがみによって、
波模様に反射する、この時期のこの時間にしか見られない貴重な光景も目に出来ました。
この時点でこの日の観覧時間は終了。やはり回れて数件なので、
このイベントが続く限り来年、再来年と見て回るしかなさそうです。
寺社仏閣だけではない京都の一面を垣間見れた気がします。
京都の方も、京都以外の方も、「知らなかった京都」がここにあるのではないでしょうか。
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