皆さんこんにちは!匠本舗スタッフのひぐちです!
筋トレしない人でもプロテインは飲んで良い?
プロテインは「栄養補助食品」であり、誰でも摂取可能
結論から言うと、筋トレをしない人でもプロテインを飲むことは全く問題ありません。
多くの方が誤解していますが、プロテインは特定の作用を持つ「薬」や「ドーピング剤」ではありません。プロテイン(Protein)とは、英語で「たんぱく質」そのものを指し、市販されているプロテイン製品は、手軽に高純度のたんぱく質を摂取できるように加工された「栄養補助食品(サプリメント)」です。
その主な役割は、食事だけでは不足しがちな栄養素、特にたんぱく質を補うことにあります。たんぱく質は、筋肉だけでなく、皮膚、髪、爪、臓器、ホルモン、酵素、免疫物質など、私たちの体を構成するあらゆる要素の材料となります。そのため、健康維持や美容の観点からも非常に重要な栄養素です。
プロテインを摂取するメリットがある人
以下のような方は、筋トレの有無にかかわらず、プロテインを活用するメリットが大きいと言えます。
食事が不規則・偏食になりがちな方
朝食がパンやご飯だけ、昼食がカップ麺やおにぎりだけなど、たんぱく質食材(肉、魚、卵、大豆製品など)が不足しがちな食事が多い場合、プロテインで手軽にたんぱく質を補給できます。
ダイエット中で食事量を減らしている方
食事制限によって総摂取カロリーを抑えると、必要なたんぱく質の摂取量も不足しがちになります。たんぱく質は満腹感を得やすく、代謝維持にも重要であるため、低カロリーなプロテインは間食や食事の補助として有効です。
高齢者の方
高齢になると食欲の低下や消化機能の衰えから、肉や魚といったたんぱく質源の摂取量が減る傾向があります。プロテインは消化吸収が良く、飲みやすいため、手軽なたんぱく質補給源として推奨されています。
■章のまとめ
- プロテインはたんぱく質を補う栄養補助食品であり、筋トレの有無に関わらず誰でも飲んで良い。
- 体の構成要素となるたんぱく質を補給することで、健康維持や美容に役立つ。
- 食事でたんぱく質が不足しがちな人や、食事制限中の人、高齢者は特に活用するメリットが大きい。
プロテインの適切な摂取回数とタイミングは?
重要なのは「1日のたんぱく質目標量」を満たすこと
プロテインを飲む回数は、「1日に何回」と決まっているわけではありません。大切なのは、1日の総たんぱく質摂取量が、あなたの年齢、体重、活動レベルに見合った目標量に達しているかどうかです。
一般成人(運動習慣がない方)の摂取目安量
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、たんぱく質の推奨量は、18歳以上の成人男性で65g/日、成人女性で50g/日とされています(活動量によって変動)。
また、体重を基準にした場合、運動習慣がない方は「体重1kgあたり0.8g〜1.0g程度」が目安と推測できます。例えば、体重60kgの方なら、1日に約48g〜60gのたんぱく質が必要です。
【筋トレをする方との違い】筋トレをしている人は、体重1kgあたり1.5g〜2.0g程度のたんぱく質が必要になるため、一般の方の約2倍近くの量を目標とします。そのため、プロテインの摂取回数が多くなるのが一般的です。
| 活動レベル | 摂取目安量 (体重1kgあたり) | 一般成人の推奨量(参考) |
|---|---|---|
| 運動習慣がない人 | 約0.8g〜1.0g | 男性: 65g/日 女性: 50g/日 |
| 運動習慣がある人 (筋トレなど) |
約1.5g〜2.0g | 個人の目標・強度により変動 |
| ※成人推奨量は厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」に基づく。 | ||
プロテインを飲む最適なタイミング
筋トレをしない方がプロテインを飲むのは、「食事でたんぱく質が不足している時」です。具体的な例を見てみましょう。
朝食時:パンやシリアルだけの場合
朝食が手軽な炭水化物中心(パン、シリアル、果物のみなど)でたんぱく質が不足している場合、朝にプロテインを飲むのは非常に有効です。朝からたんぱく質を摂取することで、血糖値の急上昇を防ぐ効果(セカンドミール効果)も期待できます。
昼食時:おにぎりや麺類のみの場合
昼食をおにぎりや素うどんなどで済ませる場合も、たんぱく質が不足しがちです。このタイミングでプロテインを飲むことで、栄養バランスを整えることができます。
摂取回数の目安
1日のたんぱく質摂取目標量が60g程度である場合、1回の食事で約20gのたんぱく質を摂取することが理想的な目安となります。この「1食20g」という目標値に達しない場合に、プロテインで不足分を補助的に摂取するのが賢い活用方法です。
基本的に、プロテインはパッケージに記載された1回分を1日1〜2回程度で、「食事で不足している分」を補う形で活用するのが理想的です。この回数であれば、一般的なプロテインに含まれるたんぱく質量(1回あたり約15〜25g)で、不足分を効率よく補えるでしょう。
【ポイント】プロテインはあくまで補助です。基本は肉・魚・卵・大豆製品を毎食意識して食べることを優先しましょう。それでも足りない分をプロテインで補うのが理想的な活用法です。
■章のまとめ
- 適切な摂取回数は、1日のたんぱく質目標量に照らして、不足分を補うために決める。
- 筋トレをしない一般の方の目安は、1日1〜2回程度で、食事でたんぱく質が不足するタイミングで活用する。
- 摂取量が推奨量(成人男性65g/日、女性50g/日など)を超えないように注意する。
飲みすぎは危険!プロテイン過剰摂取のリスク
プロテインではなく「たんぱく質の過剰摂取」が腎臓に負担をかける
プロテインは手軽にたんぱく質を補給できますが、飲みすぎ=たんぱく質の過剰摂取は逆効果となり得ます。問題なのはプロテイン製品そのものではなく、食事を含めたトータルの「たんぱく質摂取量」が体が必要とする量を大幅に超えることです。
体が必要とする以上のたんぱく質を摂取した場合、食品から摂ったものでもプロテインから摂ったものでも同じく、余分なアミノ酸は肝臓で分解され、窒素化合物(アンモニアなど)に変換されます。この窒素化合物は、腎臓でろ過され尿として体外に排出されます。
このメカニズムから、たんぱく質を過剰に摂取し続けると、腎臓にろ過・排出作業の負担が集中すると考えられます。特に、慢性腎臓病(CKD)患者に対しては、この負担を軽減するために医師や管理栄養士からたんぱく質摂取量の制限が指導されています(※1)。
健康な方については、現時点ではたんぱく質の耐容上限量(健康被害が生じない上限値)は明確に設定されていません(※2)。しかし、過剰な摂取は腎臓に負担をかける「可能性」があるため、健康な方でも1日の目標量の上限(エネルギー摂取量の約20%以内)を守ることが重要です(※3)。
カロリーオーバーと腸内環境の悪化
また、プロテインは種類にもよりますが、たんぱく質1gあたり約4kcalのエネルギーがあります。「なんとなく体に良さそうだから」という理由で、食事に加えて1日に何杯もプロテインを飲むと、総摂取カロリーが容易にオーバーし、体重増加(太る)につながる可能性があります。
さらに、一度に大量のたんぱく質を摂取したり、未消化のたんぱく質が腸に届いたりすると、腸内環境を悪化させる悪玉菌の餌となり、お腹の張りや便秘・下痢といった胃腸トラブルを引き起こす原因にもなります。
■セクションのまとめ
- プロテインではなく、食事を含めたトータルのたんぱく質の過剰摂取が腎臓に負担をかける。
- 健康な方でも、過剰な摂取は腎臓への負担、カロリーオーバー、胃腸トラブルの原因となる。
- 摂取量は1日の推奨量・目標量の上限を守り、特に腎機能に不安がある方は医師に相談する。
ダイエット目的でプロテインを飲む際の注意点
空腹時の「おやつ代わり」の多用はNG
ダイエット中に「お腹が空いたからプロテインを飲む」という活用法自体は、満腹感を得られやすく、低カロリーなものを選べば間食の代替として有効です。しかし、これを1日に何杯も繰り返すのは非常に危険です。
前述の通り、プロテインを大量に摂取すると、腎臓への負担やカロリーオーバーのリスクが高まります。ダイエット中であっても、食事の代わりにプロテインを大量摂取する方法は、栄養の偏りや内臓への負担を招き、むしろ逆効果になる可能性があります。
基本は「食事からの摂取」を意識する
健康的なダイエットを目指すのであれば、まずは毎日の食事内容を見直すことが最優先です。プロテインは、あくまでも食事で不足する栄養を補う「補助」として捉えましょう。
- 毎食、手のひらサイズのたんぱく質食材(肉・魚・卵・大豆製品)を意識して摂る。
- 不足する場合のみ、プロテインを1日1杯程度の「補助」として活用する。
これらの食事改善を行ってもなお、「この食事だとたんぱく質が足りないな」と感じた時や、どうしても小腹が空いた時のお菓子代替として、プロテインを1日1杯程度活用するのが、最も賢い飲み方と言えるでしょう。
■章のまとめ
- ダイエット中、お腹が空くたびにプロテインを飲むなど、大量に摂取するのは体への負担が大きいため避ける。
- まずは食事からのたんぱく質摂取を徹底し、プロテインは不足分を補うための補助として利用する。
- 利用回数は1日1杯程度に留め、食事の代替として大量摂取するのは体にとっても逆効果。
まとめ
プロテインは、筋トレ愛好家だけの特別な飲み物ではなく、現代の食生活において不足しがちなたんぱく質を補う、非常に便利な栄養補助食品です。
筋トレをしない方でも、食事の偏りを感じているなら、ぜひ1日1〜2回を目安に活用してみましょう。ただし、飲みすぎは体に負担をかけるため、「今日の食事でたんぱく質が足りていないかも?」という判断基準をもって、賢く利用することが大切です。
あなたの健康的な生活をサポートするツールとして、プロテインを正しく取り入れてみてください。
引用・出典
※1:聖マリアンナ医科大学. 主論文要旨「Age Modifies the Association of Dietary Protein Intake with All-Cause Mortality in Patients with Chronic Kidney Disease」
※2:厚生労働省. たんぱく質の耐容上限量策定のための腎機能をアウトカムとしたレビュー
※3:厚生労働省. 「日本人の食事摂取基準(2020年版)」







