【はり清】老舗料亭があつらえる町衆に愛され育てられた京料理

■ごあいさつ
皆さま、いかがお過ごしでしょうか。『ただ』のぐでぐでです。
今年も残り少なくなって、寒さが一段と身に染みる日々を過ごしてます。
匠本舗がお世話になっている監修料亭を巡る旅も年内は今回紹介する
はり清」で締めくくりたいと思います。

匠本舗監修おせち『清祥』でお馴染みの「はり清」は360有余年と
長い歴史があります。万治2年(1659年)というのは徳川将軍で
いえば第4代の徳川家綱の時代となります。

料理だけでなく、店内の雰囲気と庭を通じて日本の四季の風情を
ご堪能ください。どの季節に立ち寄っても満足できるでしょう。
堪能すべきポイントは本記事で併せてご紹介いたしますので
このまま読み進めていただけると嬉しく思います。

 

■はり清の成り立ちについて
元々は方広寺、清水寺や鳥辺野を訪れる客のための茶店としてスタート
しました。江戸中期の明和年間(1764-1772)には、播磨屋清七と称した
当主の名から播清(はり清)の屋号を掲げ、京料理一筋で今日まで歩み
続けています。

奇をてらわぬ正味の料理で、その素材が持つ旨味を最大限に引き出す
取り組みをたゆまず続けており、誠実さもあって、永年にわたり地元
の方に愛されるお店として今も在り続けています。

また、はり清の味をより身近に感じていただき、京料理や日本料理に
ついて共に考え、実践する場として料理教室を開催しています。

 

■はり清へのアクセス方法について
京阪本線・清水五条駅の2番出入口から徒歩5分程度です。
周辺の観光地は徒歩で回ることができるので、食事前に散策してディナーを
楽しむというプランでよいと思います。有名どころの観光地は混雑するので
混雑を避けたいという場合は早朝に散策してランチをいただくもの良いですね。

清水寺なんかは混雑していない時間の方が少ないので、立ち寄る時間を調整
して少しでも混雑を回避しましよう。
六波羅蜜寺蓮華王院(三十三間堂)も時間が許すなら巡ってみてください。

 

■店内の雰囲気など
店内といいつつまずは玄関から。曲線を描く暖簾、玄関前のトクサは
老舗料亭の玄関を絵のように美しくしてくれます。

 

 

中庭はお手本の如く綺麗に端正にまとめられた庭です。石灯篭や蹲踞
(つくばい)を際立たせるよう飛び石、植栽の配置が絶妙です。
秋の終わりを告げる落ち葉絨毯が冬の到来を強く意識づけしてくれます。

 

こちらはお食事会場までのお写真です。離れの個室でたっぷりのスペースが
あるのでゆったりとできるし、圧迫感がないので落ち着いて室内や中庭の景色
を楽しめます。

 

■提供料理の解説(メイン内容)
【おまかせ懐石】

 

・チーズ豆腐ゆず味噌掛け
手前にかぶらとほうれん草とゆず、奥はチーズ豆腐を味噌漬けにしています。
温かいうちに食べるようにとおススメされたので早速いただきました。
柔らかい食感とゆずの香りが味覚と嗅覚の両方で心地よい気分へ誘ってくれます。

 

・てっさとてっぴと雪輪蓮根すだち添え
てっさはふぐの刺身、てっぴはふぐ皮の刺身です。今では安全に食べられるフグ
ですが、昔はフグ毒で命を落とすものが後を絶たないため、フグ食が禁止になった
時代もありました。

グルタミン酸が豊富でプリプリの食感がとても美味しいです。フグは調理がとても
難しいため、料理人の経験や手腕が問われます。
はり清なら見栄えよく、適度に薄く仕上げてくれるので、安心して食感の良いフグ
を美味しくいただけます。

雪輪蓮根は雪の結晶を彷彿とさせる繊細さで目で料理を楽しませてくれます。
さりげに器もオシャレ。

 

・鴨のつみれ団子おすまし仕立て
鴨の良い出汁が身体を温めてくれます。よもぎ麩と芽ねぎがさらに
美味しさを向上させて、ゆずの彩りと香りが風味のアクセントを
加えてくれます。
こちらの逸品も器が印象に残ります。

 

左上段から
・雲子ポン酢
・りんごとカニの白和えピンクペッパーのディル香草

左中段から
・スモークサーモンの棒ずし
・千唐のからすみまぶし
・海老のいくらこみ
・マナガツオ

左下段より
・クルマエビの素揚げ
・黒豆の松葉刺し
・れんこんチップス

蓋を開くと中身はこちら

画像の通りですが、情報量が実に多いです。
全ての紹介は文章量が膨大となるので特に印象に残ったものをここでは
紹介いたします。

【雲子ポン酢】
鱈の白子を関西圏では雲子(くもこ)と呼びます。ポン酢で生を戴くのが
美味しいと言われる珍味です。これがあると日本酒が美味しく飲めます。
当然ながらめっちゃウマい。

【りんごとカニの白和え ピンクペッパーのディル香草】
りんごとカニの組み合わせは想像以上によくこれもお酒に合います。

【マナガツオ】
漢字では鯧または真魚鰹(真似鰹、真名鰹)と書きます。
西海にサケなし、東海にマナガツオなしと言う言葉が残るくらい、西と東
で知名度が異なる魚です。
熱しても柔らかく白身で味もあっさりしている大変美味な高級魚です。

 

別の向きで撮影したものも掲載します

器の他に下に敷いている和紙が季節感を表現してくれます。

 

・ウナギと銀杏とゆりねのかぶら蒸し
京都の冬料理として定番のかぶら蒸しはかぶらの白さを雪に見立てた
粋な逸品です。体の芯からポカポカと温まるので寒さの厳しい日には
大変重宝します。身体が冷えてきそうと思ったタイミングで熱物が
さり気なく用意される緻密ぶりや配慮にはり清の心配りを感じます。

お茶やお手拭きが欲しいなぁと思ったときにこちらの心を読んで
いるかの如く用意されたり、ぐでぐでの食べるペースをみて次の料理
を出すタイミングを調整したりと各所で丁寧さを感じ取れました。

 

・宮崎産和牛フィレステーキ
柑橘をきかせたステーキソースとベビーリーフが甘みと芳香を際立たせて
くれます。きめ細かくとても食べやすい極上の肉質を楽しめます。
美味しい肉は本当に美味しいです。

 

・伊勢海老のしゃぶしゃぶ
まさか伊勢海老が出てくるとは思いませんでした。養殖が困難なため
値が高く知名度の抜群の高級食材です。しゃぶしゃぶで食べるのが
初めてなので食べ方のレクチャーを受けていただきました。

プリプリの食感と甘味がタレと協調して、口の中で余韻を残して
くれます。ちなみにこの伊勢海老は「活伊勢海老」ということで
さっきまで生きていたものを調理しています。

甲殻類全般の特徴として、生命活動を停止すると体内にある酵素の
働きで身がスカスカになる現象(自己消化)が発生するため、調理する
時は細心の注意が必要です。

 

・カニ雑炊
先のしゃぶしゃぶとカニ雑炊で身体はしっかりと温まります。
うま味成分が湯の中にどっと流れ出ているためお腹一杯に美味しく
食べることができます。

 

・デザート
銀の器に美しく置かれたスイーツ類です。甘味は講釈たれずに
ただ美味しくいただくのみ。実はこのスイーツは当主のお姉さん
が経営しているお隣のお店で作られています。お土産として
持ち帰るのもありですね。

 

■庭を通じて四季を感じよう
さて、「【はり清】老舗料亭があつらえる町衆に愛され育てられた京料理」
についていかがだったでしょうか。

堪能すべきポイントはズバリ「庭」でしょう。料理は当然ですが、しっかり
整備された庭を眺めて食事する機会はあまりないと思われます。
視覚で四季を表現してくれる庭は食材から感じる四季とは別物となります。
昨今は天候の傾向が変わってきており、夏に寒さを感じたり、冬に暑さを
感じることも少なくありません。

はり清は長年の歴史を持つ老舗料亭ですが、時代の変化に対応しており
現在も町衆に愛され進化を続けております。

堅苦しさを感じない凛としてほどよい静寂のなか、いただく料理は美味しい
だけでなく印象深い出来事がたくさん起こった至福のひとときを過ごせました。
楽しい時間はあっという間に終えるものですね。

 

■おせちだけじゃない。カニを筆頭にいい品あります
匠本舗ではカニを筆頭に様々な海産物を取扱いしております。
ネットショップ大賞を10年以上連続で1位との実績がありますので
強くおススメいたします。当店よりチョイスいただいた品で素敵な食卓を
楽しんでください。まずはお求め安くなったカニからどうぞ。
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最後まで本記事にお付き合いいただき、ありがとうございました。