【味ま野】伝統と革新を五感で味わう心尽くした一期一会の京料理

■ごあいさつ
皆さま、いかがお過ごしでしょうか。『ただ』のぐでぐでです。
匠本舗がお世話になっている京都の監修料亭を巡りますが、今回
ご紹介するのは『翠柳』『花柳』『柳凰』でお馴染みの「味ま野
となります。味ま野ならではの料理を余すことなく堪能したので
皆さまへその内容と魅力をお伝えいたします。

 

■味ま野の成り立ちについて
仕出し処「ともえ」として、1897年に開業して冷めても美味しい
料理として好評を得ました。その味を多くの方に楽しんでいただく
よう料亭として三代目が1991年に開業したのが「京料理 味ま野」
となります。

仕出しはお客様宅などに届ける出前料理となります。そのため食事の
タイミングでは料理は冷めるのが必定なため、冷めても美味しいを
実現する工夫を凝らしています。

それは下味をつけ、120年以上継承されてきた『秘伝の出汁』を
使って、しっかり下ごしらえする丁寧な仕事ぶりから生まれてきた
ものです。

真(まこと)の味を野に広く伝えたいとの願いを込めて福井県越前市の
味真野神社より名をいただき「味ま野」と命名したようです。

 

■味ま野の出汁について
出汁づくりに欠かせない「かつをぶし」と「昆布」は、京都で100年
以上続く老舗の出汁専門店から取り寄せます。「かつをぶし」は味ま野
特製で用意してもらい、他店では味わえない出汁の源となります。

出汁作りは、昆布を水に一晩つけて寝かし、翌日にその昆布水を火にか
けますが、火が煮立つ直前に、昆布を取り出し火を止めます。
昆布の旨みは低温で抽出されるので、火を止めた後に冷ました昆布水を
入れて出汁を吸いやすくします。

最後にかつをぶしを入れ、かつをぶしが沈む前に掬うことで濾して澄み
きった綺麗な出汁が出来上がります。この作業は毎日行い、一番出汁のみ
使用する徹底ぶりが秘伝の出汁のたる所以です。
重要なのは沸騰させないことです。沸騰させると昆布のヌメリが出て雑味
が出るためです。

 

■味ま野のアクセス方法について
列車での最寄り駅は「京都市営地下鉄東西線」の東山駅と蹴上駅となります。
「京阪本線」の神宮丸太町駅も最寄りではありませんが比較的近いです。
・・・ただし、どの駅からでも約20分歩きます。
天候に恵まれて健脚な人はそれで問題ないです。

バスでの最寄り駅は「京都市営バス」の岡崎道停留所となります。
徒歩1分程度で近いので約20分歩くのが億劫と思うならバスの活用も候補に
入れておきましょう。どのルートでアクセスするにしても入念に下調べして
準備は怠らないように。

 

 

■外観及び店内の雰囲気など(ここから)
外観の写真

 

【今回通された部屋】小部屋 掘りごたつ(最大6名)

 

中庭

 

テーブル席(最大14名)

 

店内の写真

 

外観夜の写真(日が落ちると印象が変わります)

■外観及び店内の雰囲気など(ここまで)

 

■提供料理の解説(メイン内容)
【会席料理】
お品書きにない献立は予算に応じてご用意いただけるとのことで
通常よりグレードアップしたちょっと豪華な献立に変えております。

献立表に記載している漢字を全て読める方は難読漢字に強い博学な方
となります。ぐでぐでは流石に全部読めません。

読めない漢字は検索サイトで調べて理解するよういたします。
インターネットで簡単に調べられるのは便利なものと感心しました。

 

・前菜
海鼠ポン酢和、海鼠腸和、牡蠣時雨煮、車海老八ツ橋、穴子竜眼、昆布巻、
石伏魚甘露煮、金柑甘露煮、鮎砧巻、楤の芽田楽味噌掛、一寸豆塩蒸

一品目から情報量の多いメニューが出てきます。こんなにスケールの大きい
前菜は初めてです。そんなわけで2段階に分けて紹介いたします。

 

<海鼠ポン酢和、海鼠腸和、牡蠣時雨煮>、
海鼠(なまこ)、海鼠腸(このわた)と読みます。
このわたとは、なまこのはらわた(内臓)で塩辛の珍味を指します。入手量が
限られた大変貴重な食材です。コリコリとした食感が特徴です。

牡蠣(かき)も栄養豊富で価値の高い食材です。大多数の方は海鼠、海鼠腸より
牡蠣を食べる機会が多いと思われます。

 

<車海老八ツ橋、穴子竜眼、昆布巻、石伏魚甘露煮>
この4品は後ろの方に移っているものです。石伏魚(いしぶし)と読みます。
車海老八ツ橋は濃縮で身がしっかりとして口の中で味わいが広がるような感覚です。
いずれの品も塩味があっておいしくお酒が捗ります。

<金柑甘露煮、鮎砧巻、楤の芽田楽味噌掛、一寸豆塩蒸>
手前の4品です。金柑甘露煮は甘味、鮎砧巻は酸味が効いており、味変で味覚の飽き
が来ないよう工夫が凝らしております。

 

・造り
鉄刺、薬味、ぽん酢

鉄刺(てっさ)は河豚(ふぐ)の刺身です。繊維質で弾力がある肉なので
食べやくするため、切り身が透けて見えるほどの薄作りで身を細い刺身にします。
他の白身魚より旨味成分を多く含むので、甘みもあってより美味しく感じます。
なにより歯ごたえがあるのは嬉しいです。歯のメンテナンスをしっかりしていて
本当によかった。

 

・強肴
河豚湯引霙和

湯引(てっぴ)、霙(みぞれ)と読みます。 ふぐの皮には無数の棘が生えているので
取り除く作業をしなければ食べることができません。歯ごたえを楽しめるのと、豊富
なコラーゲンで身体の健康を整えます。器がオシャレで可愛いです。

 

・温物
蓮子鯛酒蒸赤紫蘇風味
豆腐、花弁茸 三つ葉 旨出汁

蓮子鯛と赤紫蘇と三つ葉は相性がよく、出汁は花弁茸と豆腐を含む全てに対して
食材の良さを引き立てて美味しさをアップさせてくれます。
花弁茸は大変美味しく、煮ても食感が損なわれない貴重な品です。

 

・焼物
鰤麴味噌、鯧柚庵 二味焼

鰤(ぶり)、鯧(まながつお)と読みます。鰤を麴味噌で鯧を柚庵で漬けた
逸品です。口の中が蕩けるような感じで味が広がり、余韻に浸れる心地よさが
本当に素晴らしいです。

 

・進肴
赤海老 胡瓜 八朔和

ここで趣向が変わります。味変で味覚に刺激を与えてくれます。食感と香りに
ついても赤海老と胡瓜と八朔を組み合わせることで単品で食べるよりも遥かに
クオリティの高い料理に仕上がっております。単品でも美味しいものがより
高いレベルで完成された逸品として提供されます。
花びらを模した黄色の器と相まって花を表現しているようで視覚も楽しめます。

 

・蒸物
甘鯛蕪蒸山葵餡掛

甘鯛蕪蒸山葵餡掛(あまだいかぶらむしわさびあんかけ)と読みます。
京料理の定番とも言うべき蕪蒸です。この料理は意図して半分は熱いうちに
食べて、残りは冷ましてから食べてみました。

すると、冷ましても美味しいので大変驚きます。冷ましても十分に美味しく
食べられるところに味ま野の真髄をひしひしと感じます。
黄金に緑の差し色が、器の華やかさと高級感を両立させてくれます。

 

・油物
煮込鴨ロース 巨椋葱欧風仕立

巨椋(おぐら)と読みます。これが読める人は京都通でしょう。京都に存在
した池の名前から今に伝えられています。池というよりは実態は湖ですが
干拓事業で消滅したかつての京都府最大の淡水湖です。

鴨ロース単品で食べるもよし、巨椋葱と合わせて食べるもよし。どちらも
美味しいですが、食感が異なるのでどちらのパターンも試しておくと味わう
幅が広がるのでおススメしたいです。

 

・飯物
鯖寿司、一口握寿司

京料理の定番・鯖寿司からいただきます。慶事やお祭りなどで食されたご馳走
です。他の握寿司も平らげてお腹がかなり膨れてきました。久しくお寿司を
食べていなかったのでこのタイミングで食べたお寿司は絶品です。

 

・止椀
蛤赤出汁

蛤(はまぐり)と読みます。蛤の香りと食感を楽しみつつ最後のデザートを
待ちます。

 

・水物
苺、葡萄、牛乳羹三温糖ジュレ

甘味は論評せず、ただ美味しく食べるのみ。果物だけでも甘くて美味しいし、
牛乳羹と一緒でも甘く食べられて幸せ。

 

■静寂閑雅を思わせるひっそりと静かで雅やかなひととき
さて、「【味ま野】簡潔と洗練を五感で味わう心尽くした一期一会の京料理」
についていかがだったでしょうか。

蒸物(甘鯛蕪蒸山葵餡掛)の所でも触れましたが、提供料理全般で冷めても
美味しいが徹底されています。しかも濃い目の味付けをせず、それを実現して
いるのが味ま野の凄いと思える部分でしょう。

ぐでぐでは食べるときはかなり食べる人なのですが、献立を全て平らげたときに
十分にお腹が一杯となりました。当日の朝と昼は控えめにして食事の3時間前から
運動して胃袋をスカスカにしたにも関わらず、お腹が満たされました。

 

「風情、季節感、味付け、お腹を十分に満たし、全て満足いただけてこそ“おもてなし”」
― 四代当主 樫本大輔 令和四年三月の佳き日
※味ま野の公式サイト(http://www.ajimano.jp/greeting/)「当主の想い」より

 

誠実な歓待、料理の味、食材の季節感、食事の量、風情と全ての面で大満足な数時間
を過ごせました。一人でも複数人でも快適な空間を演出してくれる味ま野の料理は
間違いなし。京都へ立ち寄る際には是非とも、足を運んでみてください。

 

 

■おせちだけじゃない。カニを筆頭にいい品あります
匠本舗ではカニを筆頭に様々な海産物を取扱いしております。
ネットショップ大賞を10年以上連続で1位との実績がありますので
強くおススメいたします。当店よりチョイスいただいた品で素敵な食卓を
楽しんでください。まずはお求め安くなったカニからどうぞ。
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最後まで本記事にお付き合いいただき、ありがとうございました。